第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

ポスター

06-2:事業所運営・経営

一般演題(ポスター)事業所運営・経営

2024年7月20日(土) 14:45 〜 15:25 ポスター会場1 (コンベンションホールA)

座長:遠矢 純一郎(桜新町アーバンクリニック)

15:05 〜 15:10

[P-1-100] 在宅医の働き方改革~オンコール代行サービス導入後の変化~

*二ノ坂 建史1 (1. にのさかクリニック)

【はじめに】在宅医療における最重要要素のひとつは、夜間・休日のオンコール体制の整備であろう。とはいえ、複数医師でのオンコール体制を単一医療機関の採用だけで長期維持することは容易ではない。約200名の在宅診療を担う当院も例外ではなく、2023年度にオンコール可能な医師が実質2人以下となり、体制維持が困難となった。そこで、2023年9月1日からオンコール代行サービスを提供するA社との提携を開始した。その実際を報告する。【活動】患者または訪問看護ステーションからの1stコールは当院が受け、往診が必要な場合にはA社を介して非常勤医師に依頼する。往診医は、患者・家族とは基本的に初対面となるが、電子カルテ上の情報の一部(サマリー・直近の診療録など)は共有可能である。往診は基本的に医師1人となるが、時間帯により当院の看護師が同行することもある。【考察】まず、A社の非常勤医師が往診した例について、診療内容・質について検討する。満足度については、該当患者・家族(遺族)にアンケート調査を行った。依頼内容は、看取り、発熱への対応、トリアージが主であった。検討が必要と思われた点は、A社に伝達し、該当医師へのフィードバックを依頼した。一方、平日18~20時頃や休日日中など、時間外ながら(A社に依頼せず)当院が往診した例も少なくなかった。この点は、患者満足度および経営の面でも有益となる。また、夜間帯の永眠の場合、初対面の非常勤医師による看取りよりも、翌日早朝に当院医師が往診し看取ることを希望される例も複数あり、患者満足度を大きく損なうことなく医師の負担軽減に寄与する結果となった。一方で、初対面の医師の診療補助を行う看護師の負担は懸念材料である。総じて、オンコール代行サービスは、課題はあるものの十分に活用できるリソースとなり得る。今後もA社との連携・フィードバックを強化し、質を高める努力を続けたい。