第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

一般演題(口演)

04-1:人材育成・教育

一般演題(口演)19 人材育成・教育・職種別

2024年7月21日(日) 16:45 〜 17:25 第8会場 (会議室103)

座長:野正 佳余(大阪急性期・総合医療センター 大阪難病医療情報センター)

16:45 〜 16:55

[O-2-39] 在宅療養支援診療所における連携実務者のキャリア・ラダー活用の取り組み

*高橋 由利子1、安藤 麻実2、上田 仁美1、阿部 朋美2 (1. 医療法人社団鉄祐会 直轄部企画室、2. 医療法人社団鉄祐会 在宅療養サポート部看護課)

【はじめに】移行期支援・在宅療養継続の調整に関わる実務者のキャリア・ラダーを開発し、3回認定を実施した。このラダーが能力開発に繋がっているか評価を行った。【活動】3回(①2022/9・②2023/3・③2023/9)のラダー認定を受けた被評価者について、評価表・提出事例の視点や行動変化について検討した。■ラダー認定レベルの概要:認定者の割合は、①回目ラダーⅠ75%・ラダーⅡ21%、②回目Ⅰ67%・Ⅱ26%、③回目Ⅰ52%・Ⅱ40%と推移した。■提出事例による検討例(被評価者AのラダーⅡの事例より抜粋)(1)大項目『予測力と患者家族の意向』・112a「患者の今後起こりえる変化を科学的に予測し、関係者へ適切に伝える」・112b「予測される療養環境の変化によるケアバランスの見積もりを周囲の人に伝えられる」の2項目では、①回目から達成できていると評価した。徐々に複雑な課題を持つ事例があげられ、医療面の科学的な予測とケアバランスを捉え、複数の関係者に適切な調整を行っていた。(2)大項目『支援』・212a「患者・家族の根底にあるニーズに応えるために、ルーテイン以上の対応をする」の項目では、①②回目は、根底のニーズを適切に把握することができていなかった。③回目は、自ら根底のニーズを把握するため及びニーズをかなえるための行動を積極的に行っていた。・212b「患者や周囲の人々に意思決定に必要な情報提供を行い、話し合いの場を設定し、本人の選択を尊重できる」の項目では、①②回目の事例は達成できていなかった。③回目では、事前に本人・家族と関係者の意向を直接聞き、思いを語る場を設け本人の意思を尊重する行動を実践していた。【考察】被評価者より、実践できていることが明確となり目指す方向性が見えたとの感想があった。意図的に介入する行動が現れ、能力開発に影響していると考えられた。