第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

ポスター

05-1:研究

一般演題(ポスター)研究

2024年7月21日(日) 13:00 〜 13:45 ポスター会場1 (コンベンションホールA)

座長:杉浦 真(安城更生病院)

13:35 〜 13:40

[P-2-21] 高カロリー輸液中における医薬品の安定性

*櫛部 周平1、谷口 允文1、加藤 祐輔1、佐藤 恵亮2、立浪 良介2、太田 夏樹2、岩山 訓典2、宮下 直洋3 (1. 在宅ケア薬局、2. 北海道科学大学、3. 医療法人社団wall402 HOME CARE CLINIC N-CONCEPT)

【目的】厚生労働省の統計では、在宅患者に対する訪問薬剤管理を行う薬局数は年々増加しており、薬剤師は注射薬の混合を含め、患者宅で薬物治療を行うための適切な薬剤管理を担う。しかし、注射薬混合後の安定性が明らかでない場合、看護師が患者宅に訪問し注射薬の用時混合および投与を行う必要がある。アミノ酸・糖・電解質・ビタミンキットに単一薬剤を混合した際の安定性評価は報告があるが、複数の薬剤を混合した際の安定性を評価した報告はない。本研究では、3種の医薬品(オクトレオチド、ファモチジン、リドカイン)をアミノ酸・糖・電解質・ビタミンキットに混合し7日後までの安定性を評価した。
【方法】アミノ酸・糖・電解質・ビタミンキット1000 mLにオクトレオチド300 µg、ファモチジン20 mg、リドカイン100 mgを混合し22±2 ℃で保管した。混合直後、3日後、5日後、7日後の医薬品含有量を高速液体クロマトグラフ法により評価した。また、色調、濁度、pHの変化、一般細菌の有無についても評価した。
【結果】混合直後、3日後、5日後まではオクトレオチド、ファモチジン、リドカイン含有量の低下は認めなかった。7日後には、オクトレオチドの含有量の低下は認められなかったが、ファモチジンおよびリドカインの含有量はそれぞれ4.8%、11.3%の低下が認められた。いずれの評価時点においても色調、濁度、pHおよび一般細菌数に変化は認められなかった。
【考察】本研究により、アミノ酸・糖・電解質・ビタミンキットにオクトレオチド、ファモチジン、リドカインを混合した場合、5日後までは3剤とも含有量が低下しないことが明らかとなった。このことより、これらの薬剤については5日分までは事前に薬剤師で調製を行うことで安全に投与可能であり、その間薬剤混合を目的とした訪問看護師の必要はなくなり、看護師の負担軽減、タスクシフトに貢献できる。