第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

ポスター

08-1:病診・病病連携

一般演題(ポスター)病診・病病連携2

2024年7月21日(日) 10:10 〜 10:45 ポスター会場2 (コンベンションホールA)

座長:上林 孝豊(京都民医連あすかい病院)

10:20 〜 10:25

[P-2-53] 逆搬送から退院当日に在宅見取りをした症例を通じ病診共同で看取りカンファレンスを行った一例

*守上 祐樹1 (1. 医療法人双樹会 守上クリニック 在宅診療部)

【はじめに】超高齢化社会を迎えた我が国において、在宅看取りは大きな課題の一つである。今回、近隣の急性期病院から逆搬送となり退院当日に在宅看取りを行った症例を経験した。その上で病院主治医と共同で看取りカンファレンスを行ったため報告する。
【症例】87歳、男性。従来COPDがあった。3か月前に誤嚥性肺炎で入院されたが衰弱が進行し嚥下機能が廃絶した。最期を自宅で過ごしたいと当医院の訪問診療を希望された。主治医より帰宅途中にでも息を引き取る可能性の説明をされながら、病院医師同行の元自宅退院となった。自宅に帰られた際、申し送られていたKP以外の親族がおり、説明に時間を要した。また頓服薬などを緊急で手配する必要があった。退院後約8時間後に自宅で逝去され、当医院で看取りを行った。後日ご家族と連絡を取った際、感謝の言葉とともに支払いに関する若干のクレームを頂いた。
当医院より看取りカンファレンスの開催を提案し、後日病院にて開催された。病院医師・病院看護師・病院薬剤師・当医院医師・当医院PAが参加した。病院スタッフ内では遠方のご家族について不安視されていたこと、少量であっても頓服の退院処方があれば在宅生活に助かる旨を共有した。当医院としては支払いに関して不快な思いをさせてしまった旨を共有した。ただ、これらのトラブルがありながらも最期の時間に関して深く感謝していただいたこと、申し送りをする医師の背中に心強さを感じたというお話を頂いた内容を共有した。
【考察】適切なタイミングでの逆搬送と双方の医療機関の対応に対しご家族様から深く感謝をいただいた。今後逆搬送や急性期患者の看取りは在宅医療のキーワードになると思われる。難しい症例であったが、関わったすべての医療従事者で学びを共有でき、教訓を得られた。
今回の発表にあたり、患者の個⼈情報とプライバシーの保護に配慮し、家族から書⾯にて同意を得た。