第6回日本在宅医療連合学会大会

講演情報

一般演題(ポスター)

13-4:難病

一般演題(ポスター)難病2 ほか

2024年7月21日(日) 13:00 〜 13:30 ポスター会場3 (コンベンションホールA)

座長:矢崎 一雄(医療法人財団老蘇会静明館診療所)

13:15 〜 13:20

[P-2-114] 軟骨無形成症治療薬ボソリチド皮下注用、在宅投与における薬局薬剤師の継続的フォローについて

*長谷川 寛1、城堀 豊2、佐藤 真優2、長谷川 匠3、片渕 龍3 (1. 日本調剤株式会社 在宅医療部、2. 日本調剤株式会社 砧薬局、3. 日本調剤株式会社 医療戦略企画部)

【はじめに】軟骨無形成症(以下ACH)は、不均衡な低身長、腕及び下肢の近位部短縮を特徴とする疾患でる。低身長はそれ自体が健康関連の生活の質低の下性の要因であると共に、四肢短縮は臀部に手が届かないなど日常生活では様々な制約を受ける。ACH治療薬ボソリチド皮下注用は、投与開始後骨端線が閉鎖するまで毎日皮下注射を行う製剤で、投与記録、副作用管理、患者コンサルティング等長期、継続的なフォローが必要となる。当社、薬剤師の取り組みを報告する。【活動】ボソリチド皮下注用は22年9月発売開始、当社の22薬局にて処方せんを応需している。23年9月より長期処方が可能となり院外処方箋での薬剤交付や3ヵ月投与も行われている。一日分の投与セットは薬剤、溶解用シリンジの入った薬剤ボックス、投与用シリンジ、注射針等の機器ボックスで構成され容積はそれぞれ300㎤程で薬剤ボックスは冷所保存となる。3ヵ月投与が行われた場合、薬剤ボックスで容積は約9000㎤×3と保冷状態での持ち帰りや自宅での保管に難渋する。また、患者宅での保管状況、投与記録、注射部位反応(副作用)の確認等在宅での薬剤師関与が必要な場合には、主治医の指示のもと訪問薬剤管理指導を実施している。服薬指導には、確認事項をチェックリスト化したシートを使用し医師へのフィードバックに役立ている。【考察】ボソリチド皮下注用が長期投与された場合、定期的に薬剤師が訪問薬剤やテレフォンフォローで患者の情況を確認、医師へフィードバックすることは治療成績や患者・家族のQOL向上に役立つのではないかと考える。また、十数年に渡る投与期間で患者や家族の生活状況を把握した上でのコンサルティング実施も有用である。今後は、病態や薬剤に対する知識を深め、患者・家族のフォローに努めたい。尚、本発表は、学術集会への演題応募における倫理的手続きに関する指針「5.1症例報告」に基づき行う。