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[P-2-126] AYA世代進行再発がん患者で意思決定支援に苦慮したが、最終的に患者家族の希望通り在宅看取りを行えた事例
【はじめに】AYA世代の意思決定支援は困難感の高さが指摘されている。本症例報告は福井大学医学部附属病院倫理委員会で承認を得た。
【症例】20代女性、悪性末梢神経鞘腫末期。幼少期から治療歴あり。20XX-1年3月A病院で原発巣切除。その後再発、多発転移を認め、緩和治療目的に同年11月B病院紹介受診。翌年9月胸椎転移増大に伴う疼痛増悪を認め、緩和的放射線照射施行。本人家族は訴えが多く、医療者を振り回す傾向や、医療者への不平不満が多く見られた。本人は自宅退院を強く希望したが両親は不安が強く、抗がん剤再開も希望した。不安軽減目的や今後急速に全身状態悪化する可能性もあり、訪間診療、訪問看護導入を提案。本人家族ともに病状進行に対する受容困難や医療者への不信感等あり在宅サービスは導入せず自宅退院。同年12月病状進行ありB病院緊急入院。腹部腫瘤急速増大に伴う嘔気・嘔吐や食事摂取不良あり。内服困難となりモルヒネ持続皮下注開始。本人家族に病勢悪化、本日中に看取りとなる可能性を伝えたところ、本人は自宅に帰ることを希望し家族もその意向に沿うことになった。急遽訪問診療、訪問看護、薬剤居宅導入し自宅退院。翌日家族見守る中、自宅で永眠。
【考察】AYA世代で、本人家族共に意思決定支援に苦慮した症例である。本人の自宅療養の希望を叶えるため在宅サービスを提案したが当初本人家族共に拒否された。その時点ではADL保たれており現実味が感じられなかったこと、幼少期から闘病生活を送っており終末期という病状受容困難であったことが一因と考える。関わる医療者側も本人家族の言動の揺れに疲弊し陰性感情が広がっていた。最終的に本人の希望する自宅看取りを実現できたのは、積極的症状緩和だけでなく、困難な中でも本人家族への侵襲度を見ながらACPを継続したことが効果的であったと考えられた。
【症例】20代女性、悪性末梢神経鞘腫末期。幼少期から治療歴あり。20XX-1年3月A病院で原発巣切除。その後再発、多発転移を認め、緩和治療目的に同年11月B病院紹介受診。翌年9月胸椎転移増大に伴う疼痛増悪を認め、緩和的放射線照射施行。本人家族は訴えが多く、医療者を振り回す傾向や、医療者への不平不満が多く見られた。本人は自宅退院を強く希望したが両親は不安が強く、抗がん剤再開も希望した。不安軽減目的や今後急速に全身状態悪化する可能性もあり、訪間診療、訪問看護導入を提案。本人家族ともに病状進行に対する受容困難や医療者への不信感等あり在宅サービスは導入せず自宅退院。同年12月病状進行ありB病院緊急入院。腹部腫瘤急速増大に伴う嘔気・嘔吐や食事摂取不良あり。内服困難となりモルヒネ持続皮下注開始。本人家族に病勢悪化、本日中に看取りとなる可能性を伝えたところ、本人は自宅に帰ることを希望し家族もその意向に沿うことになった。急遽訪問診療、訪問看護、薬剤居宅導入し自宅退院。翌日家族見守る中、自宅で永眠。
【考察】AYA世代で、本人家族共に意思決定支援に苦慮した症例である。本人の自宅療養の希望を叶えるため在宅サービスを提案したが当初本人家族共に拒否された。その時点ではADL保たれており現実味が感じられなかったこと、幼少期から闘病生活を送っており終末期という病状受容困難であったことが一因と考える。関わる医療者側も本人家族の言動の揺れに疲弊し陰性感情が広がっていた。最終的に本人の希望する自宅看取りを実現できたのは、積極的症状緩和だけでなく、困難な中でも本人家族への侵襲度を見ながらACPを継続したことが効果的であったと考えられた。