一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

講演情報

ポスター

R1:鉱物記載・分析評価(宝石学会(日本) との共通 セッション)

2021年9月17日(金) 09:30 〜 18:30 ePoster Session

09:30 〜 18:30

[R1P-12] ボニナイトの変質およびその空隙中に産するphillipsite

「発表賞エントリー」

*井上 裕貴1、島田 和彦1、安井 万奈2、山﨑 淳司2、萩谷 宏4、石橋 純一郎3、赤木 右1 (1. 九大・院理、2. 早大・理工、3. 神戸大、4. 都市大・理工)

キーワード:十字沸石、沸石、ボニナイト


ボニナイトはMg、Cr、Niに富み液相濃集元素に乏しい安山岩で、olivin, clinoenstatite, enstatite, augite, Cr-spinelからなるガラス質の岩石である。ボニナイトの空隙を充填する形で多様な沸石が産出することがNishido(1982)、Fijita et al(2016)らによって報告されている。一方、ボニナイトは岩石記載的にplagioclaseを含まないとされており、plagioclaseの分解に伴って沸石が形成されるとする一般的な形成過程を考えることが難しい。本研究では、ボニナイトのガラス質部分に着目し、その化学組成から沸石形成過程を議論する。
宮之浜のボニナイト空隙中に見られるphillipsite およびsmectitesは海水中のNa、Mg、Kとvolcanic glassが反応したものであり、まず2次変質鉱物であるsmectitesを形成した後にphillipsiteが生成したと考えられる。また、この生成過程においてボニナイトに斑晶として含まれるaugiteおよびclinoenstatiteは関与していなかったと推察される。