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[S2-11] 流体包有物の合成とタンパク質の検出に関する基礎的検討
キーワード:流体包有物、タンパク質
岩石中には流体包有物と呼ばれる岩石の周囲の液体もしくは気体が取り込まれた相が存在する。その岩石中の包有物内に閉じ込められた古細菌あるいはタンパク質を確認する必要があります。本研究は人工流体包有物を作ることによって、タンパク質を封入する可能性と条件を検証した。生化学物質としてウシアルブミン溶液を使用し、低温水熱条件下においてアルブミンを含む流体包有物の作成を試みた。実験はパイプ型オートクレーブを使用する。まず、試料として、石英片を400 ℃で2時間加熱した後、急冷してき裂を発生させた。次にオートクレーブ内にき裂を発生させた石英片と反応溶液として流体包有物の元となるウシアルブミン溶液、さらに反応を起こしやすくするために石英粉末を入れ、オートクレーブを充填率95(±1)%の状況で125℃加熱した。反応時間は4及び8日間とし、反応後は石英片試料による顕微鏡観察を行った。実験結果は、低温水熱加熱後に流体包有物を形成できる可能性を証明している。さらに、この研究では、調製した流体包有物からウシ血清アルブミンを抽出し、その定量計測を予定している。