第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:口演発表

一般口演 歯牙・歯髄・歯周組織2

2023年9月17日(日) 15:20 〜 16:00 E会場 (441講義室(4号館4F))

座長:瀬田 祐司(九歯大 解剖)

15:30 〜 15:40

[O2-E-PM2-02] 青森県黒石市小学生児童における叢生と生活習慣・態癖の関連性

〇佐藤 啓志1、林 魁一1、森下 聡1、徳田 糸代2,3、栗田 啓1、小林 恒4、村下 公一5、中路 重之6 (1. ライオン 口腔健康科学研、2. 弘前大 院医 先制医療、3. 弘前医療福祉大 保健、4. 弘前大 院医 歯科口腔外科、5. 弘前大 院医 健康未来イノベーションセ、6. 弘前大 院医 社会医)

キーワード:歯並び、叢生、小学生

【目的】歯列不正の原因として、骨格等の先天的要因に加え、後天的要因(生活習慣・態癖)の関与も報告されているが、十分な知見が蓄積されていないのが現状である。我々は、歯列形成と生活習慣・態癖の関連性解析を目的に、2019年より混合歯列期児童を対象とした経年調査を実施している。これまでに、2年間のデータを用いて叢生の有無と複数の生活習慣・態癖(睡眠時口呼吸等)との関連性を報告してきた。本研究では、本知見の頑健性向上を目指し、2021年度の新規データを加え、叢生と生活習慣・態癖の関連性を検討した。
【方法】青森県黒石市内の小学3~6年生のうち、保護者及び本人の同意が得られた児童を対象とし、歯列外観写真、生活習慣・態癖アンケート(食べる速度や口呼吸の有無等、計24項目)、立ち姿勢(猫背or反り腰の判定;NEC立ち姿勢判別システム)のデータを取得した。5、6年生計193名を対象に、叢生の有無と生活習慣・態癖との関連解析を行った。統計手法は、fisherの正確検定又はχ二乗検定を用いた。
【結果】解析対象者のうち、193名中53名(26.4%)に叢生が認められた。叢生と生活習慣・態癖の関連確認の結果、睡眠時口呼吸(オッズ比2.1、p=0.0497)、食事時の座り方(椅子以外に座る;オッズ比2.4、p=0.0196)に有意な関連が認められ、立ち姿勢(猫背;オッズ比2.1)等に有意傾向(p=0.0680)が認められた。
【考察】本研究で叢生と関連性の示唆された項目は、口呼吸や姿勢と関連が考えられる項目であった。いずれも口腔周囲筋の不調和に繋がり、その結果、叢生と関連することが考えられた。
【結論】本研究により、叢生と関連が示唆される複数の生活習慣・態癖を見出した。今後、調査を継続し、経年データを用いた縦断解析による因果関係の推定を目指す。