第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:口演発表

一般口演 微生物3

2023年9月18日(月) 13:20 〜 14:20 E会場 (441講義室(4号館4F))

座長:長谷川 義明(愛院大 歯 微生物)

13:40 〜 13:50

[O3-E-PM1-03] 五環性トリテルペンursolic acidの抗歯周病原細菌活性および細胞毒性の評価

〇佐藤 祐太郎1,2、石原 和幸2 (1. 岡大 院医歯薬 天然物化学、2. 東歯大 微生物)

キーワード:微生物、歯周病、創薬化学

歯周炎は歯の喪失による咀嚼能力低下のみならず、アルツハイマー型認知症や糖尿病、アテローム性動脈硬化といった口腔以外の疾患にも関わることが示されている。歯周炎は歯肉縁下細菌叢のdysbiosisによって引き起こされると考えられ、Porphyromonas gingivalisはそのkeystone pathogenであると考えられている。歯周炎が感染症であるにも関わらず、歯周病原細菌を対象とした治療薬は限られている。我々の以前の研究でビルベリー果実アセトン抽出物に含まれるursolic acid は抗 P. gingivalis活性を持つことが明らかになっていた。本件研究では、ursolic acidにより処理されたP. gingivalisの増殖の経時的変化、および同時間内におけるCa9-22を用いた細胞毒性の評価を行った。その結果、12.5 µg/mL ursolic acidで2時間処理されたP. gingivalisは完全に死滅し、また同濃度、同時間でursolic acidはCa9-22に対して細胞毒性を示さなかった。次にursolic acidのP. gingivalisに対する抗菌活性の作用機序を解明するためにampicilin, erythromycin, ofloxacinを用いてantimicrobial combination assayを行った。この結果、どの抗菌薬ともcombinationを示さなかった。今後は作用機序解明を目的としてoleanolic acid, asiatic acid等、ursolic acidの属する五環性トリテルペンの他種が抗P. gingivalis活性を持つかどうかを確かめていくことで、ursolic acidの構造のどの部分に抗菌活性を保有しているか調べていく予定である。

共同研究者:久保田高明(岡山大学 学術研究院医歯薬学域)

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