第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:ポスター発表

ポスター展示

2023年9月17日(日) 09:00 〜 18:00 ポスター会場 (121講義室(本館2F))

[P2-2-01] スクレロスチン欠損はBMP-2誘導性異所性骨形成を効果的に促進する

〇小出 雅則1、小林 泰浩1、山下 照仁1、宇田川 信之1,2 (1. 松歯大 総歯研、2. 松歯大 口腔生化)

キーワード:スクレロスチン、BMP-2、異所性骨

【目的】 重度歯周炎では歯槽骨の吸収が起こり、最終的に歯を喪失する。歯周炎に対して、効率的に歯槽骨を回復できる組織再生療法の開発が望まれている。骨折や重度の歯槽骨喪失に対して、bone morphogenetic protein (BMP)-2の応用が試みられている。BMP-2はWntシグナルの阻害因子であるスクレロスチン発現を誘導し、骨の獲得を減弱することが報告されている (Kamiya, 2010, JBMR)。しかし、スクレロスチン欠損 (Sost-KO) がBMP-2誘導性の骨形成に及ぼす影響については十分に解明されていない。我々はBMP-2誘導性異所性骨がいつスクレロスチンを発現するか検討した。Sost-KOマウスにおけるBMP-2誘導性異所性骨についても検討した。【方法】 8週齢雄のSost-Greenレポーター、C57BL/6 (WT) およびSost-KOマウスの大腿部にrhBMP-2を移植した。これらのBMP-2誘導性異所性骨は移植後14と28日目に評価した。【結果】 免疫組織化学的および定量的RT-PCR分析より、移植後14と28日目にSost-GreenレポーターおよびWTマウスのBMP-2誘導性異所性骨の骨細胞はスクレロスチンを発現した。マイクロCT解析より、Sost-KOマウスのBMP-2誘導性異所性骨は、移植後14と28日目にWTマウスと比較して骨量と骨密度が有意に増加した。Sost-KOマウスのBMP-2誘導異所性骨は、移植後28日目に水平断面の骨面積が増加した。免疫組織化学染色より、Sost-KOマウスのBMP-2誘導性異所性骨は、移植後14と28日目に、Osterix陽性の核を持つ骨芽細胞数がWTマウスと比較して増加した。【結論】 スクレロスチン欠損はBMP-2誘導性異所性骨の石灰化を促進させる。
(会員外共同研究者:中村圭吾、吉成伸夫;松本歯科大学)