11:20 〜 12:30
[SL2-01] 脳をAIに接続したら何ができるようになるのだろうか
私は2018年からERATO池谷脳AI融合プロジェクトの代表を務め、脳科学研究において機械学習の導入を進めております。本プロジェクトでは、「脳にAIを組み込むことで何ができるか」「脳をインターネットに接続することで世界はどのように捉えられるか」「多数の脳を連携させることで精神はどのように変化するか」など、一見幼稚とも思われる問いに対し、真摯に取り組んでおります。例えば、脳に特製センサーを内蔵したチップを移植することにより、(地磁気や血圧の変化など)通常ならば感知できない環境や身体の情報を脳にフィードバックする実験を行っています。こうして新たな知覚を得ることで脳の能力や行動パターンがどのように変化するかを調べるのが研究の目的です。さらに、脳が実際には知覚しているものの、個体レベルとして活用されていない情報を、AIにより解読し、買得情報を通じて脳機能の拡張を試みています。「脳は真に最適化されているのか」「まだ進化の余地は存在しないだろうか」。こうした未解明な謎に現在も挑戦し続けておりますが、特別講演においては、その時点での最先端の進展についてお話しさせていただきたいと存じます。