一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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シンポジウム4
小学生への脱タバコ教育の現状と展望

コーディネーター:稲垣幸司(愛知学院大学短期大学部歯科衛生学科,子どもをタバコから守る会愛知)

キーワード:小学生 脱タバコ 加熱式タバコ

Ⅰ.はじめに
 本邦では,加熱式タバコ(Heated tobacco products: HTPs)使用者が急増し,その中でも特に,IQOS(アイコス,フィリップ・モリス・インターナショナル,USA)の喫煙率は,2015年の全国販売開始時0.2%であったが,2017年には3.7%と増え,さらに,2019年では11.3%まで急増してきている1.中高生の紙巻きタバコ喫煙経験率は,1996年時(中学生 男子34.6%,女子19.9%,高校生 男子51.9%,女子33.5%)から減少傾向を示し,2014年時中高生ともに15%を下回って以降,2017年12月~ 2018年2月の調査では,中学生2.6%(男子3.1%,女子2.1%),高校生5.1%(男子6.9%,女子3.3%)とさらに減少してきている2, 3.しかし,中高生のHTPs 喫煙経験率は,2017年12 月~ 2018年2月調査開始時,中学生1.1%(男子1.3%,女0.9%),高校生2.2%(男子2.9%,女子1.4%)で中学からのHTPs 喫煙の開始が確認され,その後の増加が懸念される3

Ⅱ.シンポジウムの流れ
 本シンポジウムでは,最初に,家田重晴より,「タバコのない学校」推進プロジェクトの活動および全国の学校敷地内禁煙の推進について報告する.次に,稲垣幸司・増田麻理から,愛知県の小学校児童への脱タバコ授業の現状,すなわち,小学校児童への脱タバコ授業での歯周病,加熱式タバコに対する認識と社会的ニコチン依存度の関係からみた現状と役割について紹介する.

参考文献
1. Hori A, Tabuchi T, Kunugita N: Rapid increase in heated tobacco product( HTP)use from 2015 to 2019: from the Japan ‘Society and New Tobacco’ Internet Survey(JASTIS).https://tobaccocontrol.bmj.com/content/early/2020/06/05/tobaccocontrol-2020-055652
2. 大井田 隆:未成年者の健康課題および生活習慣に関する実態調査研究.厚生労働科学研究費補助金(疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)平成27 年度総括研究報告書.
3. 尾崎米厚:飲酒や喫煙等の実態調査と生活習慣病予防のための減酒の効果的な介入方法の開発に関する研究.厚生労働科学研究費補助金(疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)平成30年度総括・分担研究報告書.

稲垣幸司1, 増田麻里2 (1.愛知学院大学短期大学部歯科衛生学科,子どもをタバコから守る会愛知, 2.愛知学院大学短期大学部歯科衛生学科,子どもをタバコから守る会愛知)