The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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新型コロナウイルス感染症1(OP-0101~0104)

面澤和子(弘前大学名誉教授)

[OP-0104] コロナ禍において児童らの成長を支える地域のソーシャルキャピタル~鹿児島県徳之島の伊仙町阿権集落を事例に~

西村千尋 (伊仙町役場 健康増進課)

【目的】コロナ禍に限らず,児童らの成長を支える地域の教育力が重要視され,それを支えるものはソーシャルキャピタルの豊かさであると考えられる.そこで,本研究の目的は,コロナ禍において児童らの成長を支え続けた地域住民のソーシャルキャピタルについて明らかにすることである.【方法】鹿児島県の離島のひとつである徳之島の伊仙町阿権集落において,児童らを含む集落住民42名(男性12名,女性30名)を対象に,ソーシャルキャピタルの評価を行った.ソーシャルキャピタルは,辻らが作成した4項目(互助・信頼・あいさつ・問題解決)で構成された調査票を用い,5段階回答を0~4点に得点化した(強くそう思う:4点,どちらかといえばそう思う:3点,どちらともいえない:2点,どちらかといえばそう思わない:1点,まったくそう思わない:0点).総得点が16点で,9点以上が「ソーシャルキャピタルが豊かである」と評価される.得られた得点を性別や年代別に比較を行った.【成績】ソーシャルキャピタルの得点は14.5±1.34で9点を超えており,ソーシャルキャピタルの豊かさを確認することができた.ソーシャルキャピタルの総得点を性別および年代で比較したところ,いずれも有意な差は認められなかった.各項目の得点を性別および年代で比較したところ,あいさつにおいて年代間で有意な差(p<0.05)が認められたが,いずれも3点を超える平均値であった.【結論】コロナ禍において児童らの成長を支えた地域住民のソーシャルキャピタルは豊かであった.