一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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新型コロナウイルス感染症1(OP-0101~0104)

面澤和子(弘前大学名誉教授)

[OP-0103] 平常時の生活習慣行動によるCovid-19禍の外遊びおよびスクリーンタイムへの影響の違い

中野貴博 (中京大学)

【背景】Covid-19の蔓延は,外遊び時間の減少やスクリーンタイム(ST)の増加など,児童の健康生活に大きな影響をおよぼしている.影響の大きさは,個々人によって異なることが予想され,元来,良好な生活習慣を有していた児童に比べ,そうでない児童の方がより強く影響を受けていることが考えられる.結果的にCovid-19の蔓延が健康や身体活動の面において,今以上の二極化を進行させることが懸念される.【目的】本研究ではCovid-19蔓延が児童の外遊び時間やSTにどのような影響を与えたかを調査し,平常時の生活習慣行動の違いによる影響の大小を検討することを目的とした.【方法】2,4,6年生の児童2320名に1) Covid-19禍の生活変化,2) Covid-19禍の外遊び時間,STの変化,3) 平常時の生活習慣行動を調査した.1) は複数回答の選択率,2) は5件法による性・学年別の選択率を算出した.3) は屋内・屋外遊びの多少,睡眠時間,朝食摂取,衛生行動などの生活習慣行動および学力の自己評価の違いによるCovid-19禍の外遊び時間とSTの変化をクロス集計およびχ2検定により検討した.【結果と考察】屋内・屋外遊びの多少,睡眠時間,学力自己評価,Covid-19禍の外遊び時間とSTの変化の間に有意な関係が見られた.衛生行動に関しては,STの変化との間にのみ有意傾向な関係が見られた.Covid-19の蔓延は,屋内にこもりがちで睡眠が短く,学習行動も望ましくない児童において,外遊び時間の減少やST増加といった悪影響が顕著になっていることが示唆された.