一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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新型コロナウイルス感染症2(OP-0105~0109)

中川秀昭(金沢医科大学)

[OP-0105] 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の長期休校後の小学生の視力低下

徳村光昭, 井ノ口美香子, 内田敬子, 康井洋介, 長島由佳, 河津桃子, 佐藤幸美子, 木村奈々, 山岸あや (慶應義塾大学 保健管理センター)

【目的】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の長期休校後の小学生の視機能変化を検討する.
【対象と方法】一貫教育小学校2校の2021年度4~6年生児童734人(男472,女262)を対象として,COVID-19流行前の2019年度,流行対策の長期休校後の2020年度,2021年度について,学校健康診断時の視力および眼科検診で眼位異常を指摘された者の頻度の縦断的変化を後方視的に検討した(2020年度は感染対策のため眼科検診は省略し,視力検査のみ実施).学校健診は,2019年度,2021年度は各年次の4月,2020年度は休校明けの9月に実施し,健診前6か月間の平均登校日数は2019年度109日,2020年度37日,2021年度107日であった.
【成績】視力0.7未満の頻度は,2021年度4年生(2019年11.3%,2020年21.4%,2021年22.7%),5年生(16.0%,22.8%,22.3%),6年生(28.6%,34.4%,32.9%)において,いずれの学年も2019年度から2020年度にかけて増加し,4年生が最も大きく増加した.いずれの学年も2020年度から2021年度は横ばいに推移した.学年が上位の者ほど頻度が高かった.眼位異常の頻度は,2021年度は2019年度に比べて有意に増加した.
【結論】小学4~6年生では,COVID-19対策の長期休校後に,視力低下および眼位異常の児童が有意に増加した.長期休校,外出自粛による屋外活動の減少やスクリーンタイムの増加により,小児の近視化が加速し,斜視が増加した可能性がある.