一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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新型コロナウイルス感染症4(OP-0115~0119)

大沼久美子(女子栄養大学)

[OP-0116] 大学生の感染症予防行動および保健の学習に関する認識の変化-COVID-19流行前後の比較-

物部博文1, 上地勝2, 杉崎弘周3, 植田誠治4 (1.横浜国立大学 教育学部 学校教員養成課程, 2.茨城大学 教育学部 学校教育教員養成課程, 3.新潟医療福祉大学 健康科学部 健康スポーツ学科, 4.聖心女子大学 代教養学部 教育学科)

【目的】教員養成課程大学1年次学生の感染症に関する知識・予防行動および保健の学習に関する認識が,COVID-19流行前後でどのような違いがあるか比較検討した.【方法】教員養成系学部2019年度入学生237名(流行前入学生),2021年度入学生207名(流行後入学生)を対象に,入学時の2019年4月,2021年5月にそれぞれ自記式質問紙調査を実施した.調査内容は,感染症に関する知識,予防行動,保健の学習に関する感情・価値・期待,生活での活用であった.分析は入学年度(COVID-19流行前後)と各要因によるカイ二乗検定を実施した.【結果】感染症に関する知識のうち,感染症の3要因については,「分からない」と回答する割合が流行後入学生で有意に高かった.「こまめな手洗い」,「咳エチケット」,「マスクの着用」などの予防行動を取る者の割合は流行後入学生が有意に多かったが,インフルエンザワクチン接種には,有意な違いは認められなかった.保健の学習に関しては,感情については流行前後で違いは無かったが,価値,期待,生活での活用については,複数項目で流行後入学生が有意に高かった.【考察】COVID-19流行下では,予防行動が半ば強制的に促されている状況が確認された.また,COVID-19流行後の入学生は,感染症の知識を問う問題に対して,慎重に回答していることが推測された.保健の学習に関する感情・価値・期待,生活への活用についての結果より,保健の意義や在り方が改めて問われていると言えよう.