一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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健康管理,疾病予防4(OP-0316~0320)

竹鼻ゆかり(東京学芸大学)

[OP-0316] 学校健康診断情報のPHRへの利活用~児童生徒の健康増進に関する調査研究事業~

土田哲也1,2,3, 尾板靖子1,2, 川上浩司1,3 (1.一般社団法人 健康・医療・教育情報評価推進機構(HCEI), 2.リアルワールドデータ株式会社, 3.京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康解析学講座(薬剤疫学分野))

【背景・目的】政府としてはマイナポータルを通じて,国民が自身の健康・医療情報を把握することを目指し基盤整備を進めている.そこで文部科学省が,校務支援システムに登録されている学校健康診断情報を基盤として,児童・保護者がマイナポータルを通じて健診情報を把握できる環境を構築することとなった.リアルワールドデータ社では,児童生徒が健康情報リテラシーを育むための有効な手段として独自のPersonal Health Record (PHR)構築に2年半前から取り組んでいる.今年度より文部科学省から本事業における正式な委託を受け,実証研究を実施する.本演題では,本事業について紹介し,その後の展望について考える.【方法】PHRシステムは,校務支援システムに登録されているデジタル情報を基盤にして構築される.もちろん,システム整備に際して,情報リテラシーならびに遵守すべき法規に基づいて個人特定情報を匿名化する.リアルワールドデータ社では,その登録データに含まれる学校健康診断情報に関するデータベースを構築・標準化・管理し,政府が整備したマイナポータルを通じて個人の健康情報を把握できる仕組みを完成させる予定である.【今後の展望】実証研究を通じて,全国展開に向けた課題点を抽出する.本事業は,オンライン上で匿名化された個人の健康情報を提供するだけでなく,登録されたデジタル情報を利活用することでエビデンスに基づいた学校保健行政・教育行政を展開できると考える.