The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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養護教諭,保健室1(OP-0801~0805)

郷木義子(新見公立大学)

[OP-0804] 保健室模擬事例における養護教諭養成課程学生と現職養護教諭の「気づき」の比較

丹佳子1, 坂折朋香2, 縄田葵3, 橋本あきら4 (1.山口県立大学 看護栄養学部 看護学科, 2.萩市立小川小学校, 3.山口大学医学部附属病院, 4.山口県立宇部中央高等学校定時制)

【目的】学校救急処置のアセスメントは子どもの重要な情報に養護教諭が「気づく」ことから始まる.看護系大学の養護教諭養成課程の学生と現職養護教諭の,保健室来室時の子どもに対する「気づき」の内容を比較することによって,学生の「気づき」の特徴と課題を明らかにした.
【方法】養護教諭養成課程3 年生 9 名に動画(熱中症事例と手に切傷を負った事例)を視聴してもらい,「緊急度・重症度判断につながる重要な子どもの情報」に気づいたら,その場でその情報を声に出してもらった(思考発話法).同様の方法で養護教諭に行った結果と学生の結果を比較し,養護教諭が気づいた項目について,何人の学生が気づいているかを集計した.
【結果】熱中症事例の「反応がない」「大量の発汗」,切り傷事例の「出血多量」は学生の半数以上が気づいていたが,「顔色が悪い」「話せない」「口唇が白い」「目は開く・動く」「爪が白い」「口唇の色が青い」「指の色はよい」「爪の色はよい」等の情報に気づいた学生はそれぞれ0~1人であった.さらに,「発汗量の変化」「泣くのはおさまった」「来室時よりも顔色が悪い」といった「子どもの変化」に気づいた学生は一人もいなかった.
【結論】「反応がない」「出血多量」等,緊急度・重要度が非常に高い状態を示す症状には気づくことができるといった特徴が明らかになった.また,子どもの経時的な変化に気づきにくい,呼吸循環状態を示す症状に気づきにくいという課題が明らかになった.