一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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発育,発達(OP-1201~1206)

黒川修行(宮城教育大学)

[OP-1202] 幼児における運動器機能と体格・体組成との関連性

蛭間壽々子1, 小原久未子2, 桃井克将3, 中村晴信4, 間瀬知紀1 (1.京都女子大学大学院 発達教育学研究科, 2.近畿大学 医学部 公衆衛生学, 3.徳島文理大学 保健福祉学部, 4.神戸大学大学院 人間発達環境学研究科)

【目的】近年,子どもにおいても運動器機能不全が健康問題の一つとなっている.運動器機能と肥満度や体組成との関連が示唆され,幼児期からの予防の重要性が指摘されているが幼児を対象とした報告は少ない.そこで,幼児期における運動器機能と体格・体組成との関連性について検討した.【方法】幼児(5~6歳)を対象として,運動器チェック,体組成測定および質問紙調査を実施した.質問紙への回答は保護者に依頼した.運動器チェックは片脚立ち,しゃがみ込み,肩挙上,体前屈,手の開閉動作の5項目を行った.体組成測定には体成分分析装置InBody470を用いた.質問紙調査は,運動発達に関する生育歴および運動・身体活動に関する項目であった.【結果】運動器機能と体組成との関連は,チェック項目が2つ以上を該当する児は,チェック項目が1つの児と比較し,全身筋肉量および骨格筋量は有意に低値を示した(p<0.05).質問紙調査の結果はトレンド検定により,チェック項目数が増すと「はいはい」の期間が長かった児の割合は増加傾向を示した(p<0.1).全身筋肉量および骨格筋量は低値を示すほど,歩行開始年齢が高かった児の割合は増加傾向(p<0.1),活発な身体活動をしていない児の割合は有意な増加を示した(p<0.05).【結論】今回の結果から,幼児期における運動器機能には全身筋肉量,骨格筋量といった身体組成が関連する要因として示された.また,幼児期における筋肉量の大小には,身体活動量の大小が関連することが可能性の一つとして示唆された.