The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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発育,発達(OP-1201~1206)

黒川修行(宮城教育大学)

[OP-1205] 高校女子競技選手における女性アスリートの三主徴の知識と認識

プレナリーセッション1

諸井美樹1, 笠次良爾2, 木村祐子3, 石塚理香4 (1.武庫川女子大学 食物栄養科学部 食創造科学科, 2.奈良教育大学 保健体育講座, 3.帝塚山大学 現代生活学部 食物栄養学科, 4.奈良県立医科大学 疫学予防医学講座)

【目的】骨量最大獲得時期である高校生は,女性アスリートの三主徴(FAT)を予防することが重要である.そこで,高校女子競技選手のFATの知識と認識の実態を調査した.
【方法】全国大会レベルの部活動に所属する高校生女子121名にアンケート調査を行った.調査項目は,身体組成,FAT・月経周期調整の知識,無月経に対する不安などとした.月経周期別の正常群71名と異常群50名に分類し,解析にはt検定及びχ2検定を用いた(p<0.05).
【結果】体重は,正常群53.7±7.0kg,異常群50.4±6.9kgを示し,異常群の方が有意に低値であった.FATの認知度は,正常群9.9%,異常群16.0%でどちらも少なかった.月経周期調整の認知度は,正常群40.9%,異常群30.0%で,月経周期調整については両群とも「考えたこともなかった」が約80%を占めた.無月経に対する不安について,無月経の既往歴者及び初経未発来者41名に質問した結果,半数以上が「不安ではない,あまり不安ではない」と回答した.月経がない方がスポーツをしていて楽,周りの人もよくあると言っている,何も思わないなどを理由として挙げていた.
【考察】高校女子競技選手の月経周期の正常群と異常群で有意差はないものの,FAT及び月経周期調整の知識が不足している現状が認められた.特に,無月経については半数以上の選手が不安に感じておらず,無月経への危機意識が低いことが示唆された.無月経などの女性アスリートの健康問題に対する正しい知識の習得に向け,学校教育の必要性が考えられた.