The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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ヘルスプロモーション1(OP-1301~1304)

上地勝(茨城大学)

[OP-1303] 大学生における生きがいと社会経済状況,ソーシャルキャピタルとの関係

宮城政也1, 島袋桂2 (1.琉球大学教育学部, 2.沖縄国際大学産業情報学部)

【目的】社会経済状況(SES: Socio-economic Status)およびソーシャルキャピタル(SC)と健康に関する研究を概観すると,児童,生徒や青少年を対象とした研究は少ない.そこで本研究は,大学生を対象に「SES」,「SC」と「生きがい感」との関連性について検証することを目的とした.【研究方法】1.調査調査対象:沖縄県内の国公立,私立の7大学に在籍する1~4学年の大学生1019名を対象に,調査拒否した者7名,分析項目に欠損のある者65名を除いた947名(有効回答率:92.9%)を分析対象とした.2.調査期間:2018年7月~10月3.調査内容:1)フェイスシート「学年,出身,居住形態,部活サークルへの所属,ひと月の生活費・食費・仕送り・奨学金利用額・アルバイト時間,一日の睡眠時間・学習時間,育った家庭の経済状況,体調を崩す頻度,大学の成績」等.2)SES:「家庭の経済状況の主観的評価」.3)SC:「芳賀ら(2017)が作成した主観的SC尺度(SUSS-U)」11項目.4)生きがい感:「近藤ら(1998)が作成した生きがい感スケール」31項目. 【結果】高SES者は低SES者に比べ生きがい感が高く,同様に,SCが高い者は低い者に比べて生きがい感が高い傾向を示した.また,SESとSCの組み合わせにより,生きがい感との関連の強さは異なり,SESが低くSCも低い者は最も生きがい感が低いが,SESが低くてもSCが高い者は生きがい感が高い傾向が見られた.以上のことから,SCを高めることは,特に低SESの大学生の生きがい感(QOL)を高めるために,有効な視点である可能性が示唆された.