一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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ヘルスプロモーション2(OP-1305~1308)

三好美浩(岐阜大学)

[OP-1308] 「中学校のケア風土」に関するスコーピングレビュー

青木鮎実1, 朝倉隆司2, 竹鼻ゆかり2 (1.東京学芸大学大学院 連合学校教育学研究科, 2.東京学芸大学 教育学部 養護教育講座)

【目的】本研究は,生徒一人一人が学校においてケアされ,安心して過ごすことができる中学校のケア風土について,スコーピングレビューの手法を用いて構成要素を探索的に明らかにする.
【方法】データ収集方法は,データベースEBSCOhost版PsycINFOを用い,検索式を設定し,文献検索を行った.文献検索の条件は,全文入手可能で,査読のある学術誌であり,検索日は,2021年3月16~24日である.分析方法は,まず,対象となった論文を精読し,それぞれの論文の特徴をまとめた.その後,ケアの要素を,各文献内で文献レビューによりまとめられているものか,研究により明らかになった結果から抽出した.それらの要素をコード化し,サブカテゴリーとしてまとめ,カテゴリーを作成し,ケア風土の構成要素を探索的に検討した.
【結果】文献検索の結果,15件の文献が対象となり,研究が実施された国は,アメリカが12件,オーストラリア,イギリス,ジャマイカが1件ずつであった.研究方法は,11件がインタビューや事例検討などの質的研究,4件が量的研究であった.各文献からケアの要素を抽出し,分析を行った結果,19のサブカテゴリーと5つのカテゴリーが生成され,【安全・安心を感じられる雰囲気】【安心して学べる雰囲気】【困ったり助けが必要な時には安心して誰かを頼れる雰囲気】【自分の意見や考えを発信できる雰囲気】【自分の可能性に挑戦できる雰囲気】の5つのケア風土の構成要素が抽出された.