一般社団法人日本学校保健学会第67回学術大会

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安全,危機管理2(OP-1406~1409)

内山有子(東洋大学)

[OP-1409] 学校管理下における熱中症の発生状況―2011~2019年度の分析結果―

井澤昌子1, 大澤功2, 下村淳子2, 竹中香名子1, 松田香織3 (1.名古屋学芸大学 ヒューマンケア学部 子どもケア学科, 2.愛知学院大学 心身科学部 健康科学科, 3.関市立武芸川中学校)

【目的】学校管理下の熱中症の発生状況を分析し,予防に活用すること【方法】2011~2019年度に熱中症として分類された小・中・高校の44,824件のデータを校種(学年)・場合・都道府県別に分析した.発生状況は独立行政法人日本スポーツ振興センターより提供を受けた情報を解析し,発生率は文部科学省学校基本調査の児童生徒数を基に算出した.【結果】1.校種(学年)別発生状況:小学校の年平均発生数は455件(1年5.6%,2年7.0%,3年8.7%,4年15.8%,5年30.6%,6年32.2%),中学校は2,164件(1年31.8%,2年37.5%,3年30.7%), 高校は2,361件(1年43.4%,2年38.4%,3年18.2%)であった.2.場合別発生状況:課外指導の年平均発生数は3,240件(65.1%),学校行事は968件(19.4%),各教科等は481件(9.7%),その他は291件(5.8%)であった.3.都道府県別発生状況:年平均発生数は福岡279件,兵庫255件,大阪251件,愛知241件,東京200件の順で多かった.発生率(10万人対)は島根107件,宮崎94件,佐賀93件,愛媛89件,高知88件の順で高かった.【結論】中・高校,課外指導・学校行事での発生が多く,教科外の活動における予防策を強化する必要がある.都市部で発生数が多く,西日本・日本海側で発生率が高い傾向があり,地域特性を考慮した指導が必要である.