The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-38~O-43 メンタルヘルス1

座長:佐々木 司(東京大学)

[O-43] メンタルヘルス専門家としてのアメリカのスクールソーシャルワーカー:カリフォルニア州での自殺対策を中心に

瀧澤 透 (青森県立保健大学 健康科学部 社会福祉学科)

Keywords:スクールソーシャルワーカー、自殺予防、

【目的】アメリカではソーシャルワーカーが精神科医や心理療法家と並んでメンタルヘルスの専門家と位置付けられている(Weissmanほか2006, Olfson & Marcus 2010)。スクールソーシャルワーカー(以下、SSWerとする)も学校のメンタルヘルスサービス提供者として位置づけられている(半羽2009)。近年、カリフォルニア州ではSSWerが児童生徒の自殺対策にこれまで以上に関わるようになった。本研究はSSWerが学校で児童生徒の自殺対策とどのように関係しているのか、特にカリフォルニア州では自殺対策にどのように関わっているのか、具体的な役割や位置づけを検討することを目的とする。【方法】方法は文献研究である。またカリフォルニア州ウェブサイトにある資料を参照した。【結果】シンガーらのSSWer 399名を対象とした2008年のアメリカ中西部9州の調査では、88%が自殺をほのめかした生徒と関わり、64%が自殺行為による生徒の入院を経験し、10%は実際に生徒の自殺を経験していた(Singer & Slovac 2011)。2016年にカリフォルニア教育法(California Education Code)では215条で、7~12年生を対象に全ての地方教育委員会に自殺予防の方針を立てることを義務付けた。さらに同州では教師が生徒の自殺念慮を知った場合は、速やかに校長およびスクールカウンセラーもしくはSSWerに通知することとされた(2022年3月SMHPW勧告3)。【結論】日本との違いを踏まえつつ、アメリカのSSWの役割や位置づけを今後も広く検討していく。