The 68th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題(口演)

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O-44~O-49 メンタルヘルス2

座長:鈴江 毅(静岡大学)

[O-47] 不登校経験者に対する「からだ」の授業を通した育ちと学び:高校生の作文を基に

上野 亜海1, 中坊 恵太2, 鹿野 晶子3, 野井 真吾3 (1.日本体育大学大学院博士前期課程体育学研究科体育学専攻, 2.学校法人新名学園旭丘高校, 3.日本体育大)

Keywords:不登校、からだ、高校生

【目的】A高校には不登校を経験した子どものみが入学するクラスがある.そのクラスの特徴的な科目に自然環境下での沢登りや森林ウォーキング,自然木を用いた物作りなどを行う「からだ」の授業がある.この授業では,自分のからだを知る,生活に役立つからだの機能や役割を学ぶ,生涯に亘って健康に生活するために必要な知識・技術を学ぶといった3つの目標を軸に,スポーツを使わずに子どもの発達欲求に応えられるような身体教育が目指されている.この授業の担当教諭は,授業を通して子どものからだと心が解放されていく様子を実感しているものの,実際に子どもがどのようなことを感じ,学んでいるかは明らかにされていない.そこで本研究では,「からだ」の授業による育ちと学びの実態を検討することを目的とした.【方法】対象はA高校に通う3年生52名であった.分析には2021年3月に記述された「『からだ』の授業で学んだことや成長したと感じること」に対する作文が使用され,記述された文章中の「学んだ」「成長した」「変わった」「変化した」「出来るようになった」の単語に注目して,それらの単語が含まれた文章から読み取れる学びと育ちを抽出した.【結果】本研究の結果,人間関係(協力が出来るようになった等),からだ理解(落ちていた体力が少しずつ元に戻る効果があった等),自己理解(自分の改善点を知った等),苦手克服(出来ないと決めつけると何も出来なくなってしまう等)に関する記述が抽出された.