国際開発学会第35回全国大会・人間の安全保障学会第14回年次大会

講演情報

一般口頭発表

農業の国際開発:水田、桃栽培、花き栽培、シードコモンズ

2024年11月10日(日) 15:00 〜 17:00 F304 (富士見坂校舎 304)

座長: 西川 芳昭(龍谷大学)

コメンテーター: 西川 芳昭(龍谷大学), 杉原 たまえ(東京農業大学)

16:00 〜 16:30

[2D211] マラウイ高地における栄養改善を目的とした果樹栽培の導入と普及〜首都近郊のモモ栽培導入実践を事例に〜

*福田 聖子1 (1. 日本大学)

キーワード:アフリカ、農村開発、栄養改善、普及員

近年,アフリカの農村開発における栄養改善プログラムにおいて,果樹栽培の導入が再注目を 集めている.アフリカ東南部に位置するマラウイでは,国際 NGO 等が政府機関と協働で栄養改 善プログラムの一環として,果樹栽培の導入と普及を推進しており,首都近郊では栄養改善普及 員により,熱帯果樹に加えモモなどの温帯果樹も導入が推進されている. 一方,マラウイ高地では,1964 年にイギリスから独立後,海外から温帯果樹の改良品種が数多 く導入されてきた.モモの改良品種は 1970-80 年代を中心に海外から導入され,農業プロジェク ト実施期間中に計 53 品種の導入が確認されている.マラウイ政府によっ て国立試験場を通して,各地の農業普及所等に温帯果樹の展示圃場を設置する等,NGO 等と協働 で積極的に普及活動も進められてきたが,2010 年時点では国立試験場においても母樹の管理がさ れておらず,モモの苗木を入手することも出来ない状況だった.現在,モモの苗木は中部デッザ 県等,国際機関が実施した各研修等に参加し,苗木生産の知識と経験を持つ個人農家の認識に基 づき選抜・管理され,苗木生産が行われている. 本報では,マラウイ高地におけるモモ栽 培導入の歴史を踏まえた上で,首都近郊における栄養改善普及員による新規モモ栽培導入の事例 の分析に基づき,今後の栽培普及を推進する上での課題を明らかにすることを目的とした. 【調査地の概要および調査方法】 マラウイ中部州は首都は標高 1,100m 程度で比較的温暖な気候となっている.調査地の首都近郊の 農政局管轄には 19 か所に地方農業普及所(EPA)があり,西部 12 か所の普及所から 2 か所の 普及所(Ukwe と Chilaza)の 3 地区を主な対象地とし,代表 3 グループを選定した.現地調査は 2018 年 3 月~2024年 8 月にかけて,計 6 回に分けて実施しその分析結果を報告する.

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