第55回日本脈管学会総会

講演情報

会長要望演題

PADに対するハイブリッド治療

2014年10月31日(金) 13:00 〜 13:50 第2会場 (アイシアター)

座長: 重松邦広(東京大学医学部 血管外科), 和泉裕一(名寄市立総合病院 心臓血管外科)

13:00 〜 13:50

[PR-16-4] 当科におけるPADに対するハイブリッド治療の検討

田島悠太, 後藤均, 橋本宗敬, 赤松大二朗, 清水拓也, 深山紀幸, 濱田庸, 土田憲, 河村圭一郎 (東北大学病院 移植再建内視鏡外科)

キーワード:PAD, hybrid therapy

当院ではPADに対する血管内治療・外科手術を当科で一貫して施行している。2013年4月よりハイブリッド手術室が稼働し,ハイブリッド手術の有用性が増している。2007年から2014年6月までに行われた急性増悪を含むPADに対するハイブリッド手術は36人39肢に対して行われた。平均年齢は70.7歳(44歳~93歳),男性が33人(36肢),跛行肢が11例,重症虚血肢が28肢(Fontaine3度が13肢,Fontaine4度が15肢)であった。腸骨動脈病変は38肢に認め,いずれもステントを留置した(うち7例は血栓除去も施行,4例は対側肢へのステント留置でFFバイパスを併用)。総大腿動脈病変は13例に認め,血栓内膜摘除を10例に,置換術を3例に施行した。浅大腿動脈病変は16例に認め,FPバイパスを10例,血栓除去を5例(うち2例にステント留置),置換術を1例に施行した。膝窩動脈に対しては血栓除去を2例に,下腿病変に対しては1例でバルーン拡張術を行った。跛行肢は全例で症状が改善,重症虚血肢は3例で大切断を要したが残りは救肢し得た。1例が入院中に死亡した。PADに対するハイブリッド治療の有用性は特に総大腿動脈病変を有する場合,急性増悪時やステント内血栓時の血栓除去を要する場合に大きいと考えられた。患者の全身状態・病態に合わせた術式選択・麻酔方法など,当科でのハイブリッド治療の検討を報告する。