コンクリート工学年次大会 2016(博多)

講演情報

第38回コンクリート工学講演会

B.構造・設計 » 既存構造物の調査

既存構造物の調査Ⅰ

2016年7月8日(金) 10:45 〜 12:15 第9会場 (4F 410号室)

座長:岡﨑慎一郎(土木), 谷昌典(建築)

[2248] 黎明期コンクリート造建築物の構造体コンクリート強度に関する調査研究

中田清史1, 野口貴文1, 桝田佳寛2 (1.東京大学 2.日本大学)

キーワード:Taisyo/Syowa era, existing RC buildings, structural concrete, core strength, strength distribution, 大正・昭和初期, 既存RC造建築物, 構造体コンクリート, コア強度, 圧縮強度分布

本論では1953年以前をコンクリート造建築物の黎明期と位置づけ、この年代の構造体コンクリートの圧縮強度について調査研究を行った。分析の対象データは文献調査などにより収集し、これらについて部材別強度差、平均値・変動係数の年代推移、コア採取方法と変動係数、確率分布と推定誤差の検討を行った。その結果、以下の知見が得られた。①床部材の強度が高い傾向が見られた。②平均強度は竣工年代に対して正の相関が見られた。③変動係数は同一階内、同一部材内でそれぞれ0.10~0.30、0.10~0.40となった。④確率分布は対数正規分布に従う可能性が高い。⑤仮定する分布によっては推定値に10%程度の誤差が生じる。