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[1A53P] ロボット支援手術の0度カメラと30度カメラの視野展開を比較する
キーワード:骨盤臓器脱、女性泌尿器、ロボット支援下仙骨膣固定術
近年、婦人科、泌尿器科、外科など様々な診療科でロボット支援下手術が広く行われている。ロボット支援下手術は、従来の腹腔鏡下手術と比較して、組織の微細構造をブレずに鮮明に映し出すことが可能となった。精度の高い画像は、正確な空間認識ができるため、安全な手術を行うために欠かせないものである。しかし、ロボット支援下手術のカメラは柔軟性のある軟性鏡ではなく、自由度のない硬性鏡を用いている。そのために、解剖学的な構造によっては、術野の描出が制限されることがある。そこで、我々は様々な対象物に対して、ロボット支援下手術のカメラシステムと従来の腹腔鏡下手術のカメラの画像を比較し、さらにロボット支援下手術の0度の直視鏡と30度の斜視鏡を用いて視野の違いを比較し、手術操作に適した術野が描出できるかを検討した。対象は比較的小さな文字が記載している紙幣、花、実際の手術画像などについて同一の対象物をそれぞれロボット支援手術用およびハイビジョンの腹腔鏡カメラの画像を比較した。いずれの画像もロボット支援下手術の方が、従来の腹腔鏡下手術と比べて解像度、鮮鋭度、明るさも優れていた。また歪みもロボット支援下手術の方が少なかった。さらに、30度の斜視鏡を用いたロボット支援下手術の術野は、後壁剥離時やメッシュ固定時には適切な視野確保によって正確な手術操作が容易にできた。発表ではこれらの比較画像を供覧する。