[ポスター1-1] 看護部・システムエンジニア課との協働実践報告
デジタルトランスフォーメーション(DX)化を目指して
【背景】電子カルテ(以下、電カルとする。)を用いた看護記録は即時に記録でき、過去の記事検索や多職種との情報共有も容易になった。また、電カル内のアプリケーションソフトウエア(以下、アプリとする。)の活用により看護計画を看護指示への反映や、医師指示を実施することでコスト算定に紐付いている。しかし現場では、アプリのさらなる有効活用が模索されぬまま活用されている現状がある。A病院看護部とシステムエンジニア(以下、SEとする。)課との協働を振り返り、成果と今後の課題を見出す。【目的】 A病院でSEとの協働によって電カル内のアプリ活用方法の相談・変更点と過程を振り返り、看護記録の効率化やデータ抽出による活用や変更過程から今後の課題を検討する。【実践内容・方法】① 202X年の7ヶ月間に電カル効率化の視点で、実践報告者が委員会や部署でスタッフに聞き取りを行った。②その都度、SE課に改善相談を行った。③SE課内で相談内容を検証後、看護部から診療情報管理委員会で変更の方向性を示唆し、手順を変更し診療情報管理委員会で承認を得て周知を行った。④学術集会で実践報告することをA病院に書面で報告し同意を得た。また患者・職員の個人を特定しない配慮を行い報告する。【結果】①褥瘡診療計画書アプリでは、記載ページのタグが固定されておらず入力しづらいと意見があった。タグの固定と記載責任の職種が分かるよう見える化を行った。計画書を作成後、記載済の項目選択を設け、患者一欄から一括確認が可能となった。②食事摂取量に関して、経過表で1人ずつ入力していたが、一括入力画面を設け入力時間短縮と一画面で振り返り確認作業が行え、患者間違い・登録抜けの対策に繋がった。1回の入力に3分弱の短縮が図れた。③看護診断への移行では、A病院における看護計画の使用頻度順にデータ抽出を行い、上位30計画から移行した。同時に社内導入アプリにアンケート欄を設け、不足している看護診断を随時追加できるようスタッフの声が聞ける環境作りを行った。【考察】結果①②では、見える化や一括入力により管理の容易性に繋がったと考える。また、③では使用頻度を根拠に効率的な段階的移行に繋がったこと、同時にアンケート欄の設置は聞き取りの時間的な効率化に繋がったと考える。現場において、電カルアプリの活用において導入時の使用方法で留まっていることを実感する。SEとの協働によって電カルアプリを用いて管理の容易化や段階的移行から、看護記録の効率化へと繋がったと考える。【実践への示唆】現在、看護診断と別にアンケートを設置し、看護における電カルアプリの改善に向けた意見の聞き取りを行っている。看護業務のよりよい方向に向けて効率化を始め、スタッフレベルの気づきをSE課と協働し、解決からDX化へと広げていく視野が必要である。また、効率化によって生まれた時間をベッドサイドケアに繋げたい。