第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター23群 看護管理~看護提供体制~

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:春木 邦惠

[ポスターM-23-5] 急性期病棟の看護師によるリハビリテーション看護の効果

渡邉 直美1, 福田 広美2, 桑野 紀子2 (1.大分県立看護科学大学大学院看護学専攻科, 2.大分県立看護科学大学)

Keywords:急性期、リハビリテーション看護、早期退院

【抄録】
【目的】本研究は急性期病棟の看護師(以下PNS とする)が、手術等を受ける高齢患者にリハビリテーション看護(以下リハ看護とする)を行い、患者のADL に対する効果を明らかにすることを目的とする。本研究ではPNS が対象者に積極的に関わり、リハ看護を行う程患者のADL 向上に繋がると考え、患者のPNS に対する認知度やリハ看護の実施状況についても明らかにすることとした。【方法】研究方法は介入研究を用いた。対象者はA 病棟に入院した退院時リハビリテーション指導料加算の対象となる患者72 名で、介入群は2019 年10 ~ 12 月に入院した患者34 名、対照群は2019 年3~ 5 月に入院した38 名であった。介入群にはリハ看護を行い、対照群には通常の看護を行った。対象者のADL は重症度・看護必要度B 項目で評価した。PNS によるリハ看護は、患者のPNS に対する認知度及びリハ看護の実施状況を研究者が作成し評価した。また事例検討会のディスカッション内容についても調査を行った。分析はt 検定、χ二乗検定、二元配置分散分析などを用いて介入群と対照群の比較を行った。【結果】対象者の年齢は介入群75.3 ± 8.8、対照群76.5 ± 8.3で、入院期間は介入群15.5 ± 10.1、対照群15.9 ± 8.1 であった。両群全ての項目の比較において統計的な有意差を認めなかった(p=0.92、p=0.57)。対象者の入院時ADL は介入群の平均値は8.1 ± 2.2、対照群の平均値は7.9 ± 1.7 で、2 群間の比較は有意差がみらなかった(p=0.41)。対象者の入院時・退院時ADL は、介入群の入院時8.1、退院時7.6 で、対照群の入院時7.9、退院時7.4 であった。患者のPNS に対する認知度は、介入群の入院時は、3.2 ± 1.4、対照群2.6 ± 1.4 であった。リハ看護実施状況では、介入群1.8 ± 0.9、対照群1.6 ± 1.4と有意差がみられた。(p=0.04)【考察】本研究では介入群のADL は対照群に比べて入院時の重症度が高いにも関わらず退院時に回復していた。今回の結果よりPNS が介入群にリハ看護を提供したことが影響したと考えられた。急性期病棟では患者の治療に対する看護が優先されリハビリテーションは理学療法士が中心となる。入院中に最も長く患者と関わるのは看護職であり早期退院するためには効果的なリハ看護を提供することがADL 維持向上に繋がる。