第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター30群 安全・安楽への支援②

2022年11月9日(水) 14:00 〜 15:00 ポスター会場 (国際展示場)

座長:飛世 真理子

[ポスターM-30-3] 非侵襲的陽圧換気療法マスク装着患者の皮膚障害予防に対する看護師のケアの現状

縄田 歩, 児玉 理紗子, 佐藤 あかり (JR 広島病院)

キーワード:非侵襲的陽圧換気療法マスク、看護ケア、皮膚障害

【抄録】
【目的】A 病院B 病棟における非侵襲的陽圧換気療法マスク(以下NPPV マスク)装着患者の皮膚障害予防に対する看護師のケアについての現状を調査し明らかにする。【方法】A病院B 病棟でNPPV マスク装着患者に直接関わったことのある看護師を対象に、観察項目や方法、タイミング、皮膚障害予防方法について無記名自記式質問紙によるアンケートを行い、単純集計および記述統計を行なった。研究協力の有無による不利益は生じないことを説明し、アンケートの回収をもって同意が得られたこととした。本研究はA 病院の倫理審査委員会の承認を得て実施した。【結果】対象者は23 人、回収は21 人(回収率91.3%)であった。NPPV マスク装着患者に対する観察について日勤帯と夜勤帯に分けて尋ね、「必ずしている」と答えた割合がともに100% だったのは、「呼吸回路の位置」、「エアリーク」であった。また、「装着部位の皮膚状態」については、日勤帯は90.9%、夜勤帯は72.2%であった。NPPV マスク装着開始時の予防的被覆材貼付について「必ずしている」と答えたのは30.0%であった。必ずできていない理由は、「勤務が煩雑で時間がないため」が42.8%、「貼付する必要がないため」が21.4%であった。ベルト固定の順番は、「額部が先」は38.0%、「頬部が先」は33.3%であった。【考察】装着部位の皮膚状態の観察よりも呼吸回路の位置やエアリークの観察の割合が高かったのは、生命維持が優先されていることが示唆される。また、装着部位の皮膚状態の観察が夜勤帯で低下したのは、看護師が少なく煩雑になっていることが考えられる。圧迫創傷予防の被覆材は、NPPV マスク装着開始と同時に貼付するために、マスクと一緒に準備できるように物品配置の検討や予め被覆材をカットしたものを用意しておくなどの対策が必要と考えられる。日本褥瘡学会のベストプラクティスでは、NPPV マスク装着の手順について額部、頬部の順に固定すると記されているが、周知されておらず、勉強会などによる意識付けが必要と考えられる。B 病棟では自己学習で得られた知識や経験を積んだ看護師による指導のもとケアを行っており、手順書となるものがないためケアにばらつきが出たと考えられる。今回の結果で差がでた項目や割合の低かった項目について重点的に手順書を作成していくことで均一したケアができると考えられる。