第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター30群 安全・安楽への支援②

2022年11月9日(水) 14:00 〜 15:00 ポスター会場 (国際展示場)

座長:飛世 真理子

[ポスターM-30-4] N95 マスク着用が必要な職員の皮膚トラブル予防について

- COVID-19 患者に対する看護 皮膚・排泄ケア認定看護師としての活動報告-

山崎 治1, 成松 史1, 城戸 由美2, 灘吉 幸子1, 山中 麻衣1, 椛島 久恵1, 宮本 菜月1, 深川 智子1, 宮瀬 雄也1 (1.千鳥橋病院, 2.千代診療所)

キーワード:COVID-19、N95 マスク、皮膚保護、フィッティングテスト

【抄録】
【目的】A 病院はCOVID-19 患者の受け入れ施設である。COVID-19 流行の際に、N95 マスクを長時間着用した病院職員より、マスクの圧迫やマスクひもの擦れによって生じた皮膚トラブルの相談があり、皮膚・排泄ケア認定看護師として活動を行ったため、ここに報告する。【方法】N95 マスク着用時、創傷被覆材や非固着性ドレッシング材を皮膚保護のために使用した。有効性については日本褥瘡学会の危機管理委員会が2020 年5 月に発行したN95 マスク着用時によるMDRPU 予防を参考にした。創傷被覆材等を貼ることによるマスクの漏れ、感染リスクの増加については感染管理認定看護師に相談し、フィッティングテストを慣行させることを指導した。使用方法を周知させるため、使用方法を写真にしたものをラミネートし、配布。集中治療室、救急センター、COVID-19 受け入れ病棟の看護師長らとともに指導を実施した。後日、フィッティングテスターにて被覆材を併用した場合の漏れ率などを確認した。コスト・使用許可について、マスク等と同様の扱いにできないか起案書を提出し、いつでも使用できるように配置した。費用については用度課に集計を依頼し、月毎に報告を行った。【結果】職員がN 95 マスク着用の際に自ら、皮膚保護を実践してくれるようになった。「楽になった」「痛くなくなった」「助かった」等、喜びの声が多数聞かれた。創傷被覆材を剥離する際に疼痛が生じていたため短時間使用の場合は剥離刺激を考慮し、非固着性ドレッシング材を使用することが多かった。この活動において生じた費用、費用対効果については発表にて報告する。【考察】A病院はHPH 健康増進活動拠点病院(以下、HPH)である。HPH はヘルスプロモーションを実践するためにWHO(世界保健機関)が1988 年に開始した国際的な病院とヘルスサービスのネットワークのことである。HPH は患者の治療や看護だけでなく、患者と地域住民、病院で働く職員の健康づくりも重視して取り組むことが重要とされている。皮膚・排泄ケア認定看護師として、指導・実践・相談をHPH であるA病院の理念に沿って活動を行うことができた。剥離時の疼痛や易感染性の安全性の確保継続が今後の課題である。今後、COVID-19 流行のような未曾有の事態が起こったとしても、職員と協力しながら、活動を実践していきたい。