第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター6群 在宅療養移行支援②

2022年11月8日(火) 14:00 〜 15:00 ポスター会場 (国際展示場)

座長:栁澤 節子

[ポスターM-6-2] 地域医療連携センターと病棟間における入院時支援の情報共有の検討

-一般病棟に勤務する看護師への質問紙調査より-

長谷川 真樹, 中野 八枝子 (大和高田市立病院)

キーワード:入院時支援、情報共有、地域医療連携センター

【抄録】
【目的】2018 年に入院時支援加算が新設され、A 病院においても同年度より入院時支援を開始し、地域医療連携センターと病棟間の情報共有ができるように取り組んでいる。病棟看護師からは「情報があって助かる」との声が聞かれる反面、「入院時支援対象者とは知らなかった」等、入院時支援での情報が活用されていないこともあった。患者が住み慣れた地域でその人らしく療養生活を送るために入院前より退院を見据えた支援への一助となるよう地域医療連携センターと病棟間の有効な情報共有の方法について検討する。【方法】1. 研究対象:A 病院の一般病棟に勤務する経験年数2 年目以上の看護師174 名、2. 研究期間:2021 年6 月1 日から2022 年1 月22日、3. 調査方法:先行研究を基に作成した質問紙を使用する調査研究4. 分析方法:単純集計を行い、全体の傾向を把握した。この研究はA 病院倫理委員会の承認を得ている。【結果】分析の結果、入院時支援の周知度の質問では「入院時支援を知らない」11%であった。情報収集が役立ったかの質問では「入院時支援での記録内容が役立たない」22%で、具体的内容として「入院時支援があるのを知らなかった」「知りたい情報がない」「入院時支援の記録の内容が理解できない・わかりにくい」「入院時支援の患者を受け持ったことがない」等があげられた。また、入院時支援の情報として病棟看護師が必要であると思う内容についての質問では、スキンテアの有無や嚥下状態や食事形態などの情報を必要とする回答が多かった。地域医療連携センターとの入院時支援の有効な情報共有方法の質問に対しては、「新しい情報共有ツールの作成」「新しいナーシングシートの作成」「簡潔に箇条書きにしてほしい」等があげられた。【考察】地域医療連携センターの看護師がわかりやすい記録を行うことで、病棟看護師は短時間で必要な情報を得ることができる。そのためには現在の入院時情報アセスメント記録の見直しの検討が必要である。情報収集は、地域医療連携センターの看護師が必要と考える内容だけではなく、病棟看護師が必要と考える入院後の看護ケアに活かすことができる情報も収集する必要がある。入院時支援の記録時間が短縮することで、今より多くの患者に入院時支援を行うことができ、院内での理解と周知に繋がる。