第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演43群 ヘルシーワークプレイス①

2022年11月9日(水) 14:00 〜 15:00 口演会場6 (104)

座長:石井 久美子

[口演M-43-3] 大学生の抑うつと喫煙・睡眠の質・孤独感の関連

菅谷 洋子, 山川 樹, 森田 清美 (東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科)

キーワード:大学生、睡眠の質、抑うつ、喫煙、孤独感

【抄録】
【目的】大学生の抑うつと喫煙経験・睡眠の質・孤独感の関連を確認し、抑うつに及ぼす影響について示唆を得る。【方法】調査対象はA 大学生2039 名、調査期間は2021 年8 月から2022 年1 月とした。質問紙は抑うつ(CES-D)と孤独感(UCLA)、睡眠の質(PSQI-J)、喫煙状況と喫煙経験の有無から構成された。分析は1 標本t 検定・二元配置分散分析・重回帰分析を行った。参加者に趣旨、結果公表、匿名性確保、自由意志の尊重、同意撤回の自由、成績評価の不利益がないことを説明し回答をもって了解を得た。【結果】有効回答数は511 名(男259,Mage=19.64; 女252, Mage=19.95)で、喫煙者(以下喫)43 名(男25, 女18)、禁煙者(以下禁)24 名(男15, 女9)、非喫煙者(以下非)444 名(男219, 女225)であった。1 標本t 検定の結果、PSQI-J のみカットオフ値(5.5点)と有意差が認められた。男は非(5.02;t(218)= 2.37,p<.05)が下回り、喫(6.88;t(24)=2.23, p<.05)が上回った。女は禁(8.11;t(8)=3.46, p<.01)が上回った。UCLAでは男女共に非が高基準(男:44 点, 女:41 点)を下回った(男41.76, t(218)=2.82, p<.001; 女39.47, t(224)=1.61, p<.05)。二元配置分散分析(性別×喫煙状況)の結果、CES-D は性差(男;15.11< 女;16.61)の主効果が有意だった(F(1,505)=6.60, p<.05)。PSQI-J は交互作用が有意傾向であり(F(2,505)=2.78, p=.06)、事後検定の結果、男は非と喫(非:5.02< 喫:6.88)、喫と禁(禁:4.87< 喫:6.88)の間に、女は非と禁(非:5.57< 禁:8.11)の間に有意差が認められた(p<.05)。CES-D を従属変数、他の変数を独立変数とした重回帰分析の結果、男女ともにPSQI-J(男β =.40, 女β =.39)とUCLA(男β =.37, 女β =.34)が有意だった。【考察】男女とも孤独感は直接、喫煙経験( 喫, 禁)は睡眠の質の悪さを介して抑うつに影響を及ぼしており、先行研究を支持した。孤独感に適切に対処し、喫煙しないことが精神健康と睡眠の質の維持・向上に寄与することが示唆された。