第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演44群 ヘルシーワークプレイス②

2022年11月9日(水) 15:30 〜 16:30 口演会場6 (104)

座長:成田 康子

[口演M-44-4] COVID-19 対応一般病棟における応援看護師の実態調査(第2報)

-応援看護師受け入れ病棟に必要な看護体制に対する看護師の認識-

市岡 幸, 久保田 祐希, 田川 沙織, 山下 香苗, 木村 香 (大阪急性期・総合医療センター)

キーワード:COVID-19、応援体制、働きやすい環境

【抄録】
【目的】応援看護師受け入れ病棟に必要な看護体制に対する看護師の認識を明らかにする【方法】1. 研究デザイン:質的記述的研究、2. 研究対象者:A センターCOVID-19 中等症~重症患者受け入れ病棟で患者のケアにあたった看護師、3. データ収集期間:2021 年8 月10 日~ 2021 年8 月31 日、4. データ収集方法:半構成的面接法にて、応援看護師とともによりよく働くための病棟体制は何かについて問うた。5. データ分析方法:得られたデータより逐語録を作成。テーマにそった内容を抽出。内容の類似性、相似性に基づき統合、比較検討、再編を繰り返しカテゴリーを生成。6. 倫理的配慮:研究参加者には、研究の目的および方法、参加の自由意思、結果の公表、プライバシー保護、データ管理方法など文章を用いて説明し同意を得た。【結果】研究参加者12 名。応援看護師の受け入れ病棟に必要な看護体制に対する認識は、9つのカテゴリーが生成された。応援看護師を受け入れるため〈病棟の特殊性・ルールが認識できる工夫〉や、〈患者のケア方法にかかわる情報共有〉応援看護師が業務に困らない情報提示の明確さが必要と考えていた。効率よい病棟運営のため〈いくぶん固定されたスタッフ〉の派遣を期待し、また、応援看護師に〈他領域の知識と技術をもつ存在であることへの尊敬〉を持ち、その〈明確な業務の範疇と責任の所在〉〈経験に応じた業務調整〉が必要だと考えていた。ただ一緒に働くだけでなく、互いの〈知識と技術の交流の好機〉とすることでよりよいケアを導き出すことができる体制を考えていた。一般病棟とは異なる環境のため〈応援看護師の心身の負担感への配慮〉を行い、区切られた環境であるからこそ〈関係性の構築が促進されるような雰囲気づくり〉をしたいと考えていた。【考察】受け入れ病棟にとって応援看護師に対する期待感と業務の進捗状況に乖離を感じることがある。受け入れ病棟では、応援看護師に対し病棟特殊性やルールの提示や業務の依頼という一方的な関係であることが少なくない。応援看護師が持つ情報や意思などの自己開示による双方向的な体制を築くことが必要である。互いの情報が合わさることでよりよい看護を実践できるだけでなく、応援看護師のモチベーション向上にもつながると考える