第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター15群 看護職間・他職種との協働①

2023年11月8日(水) 14:30 〜 15:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:廣瀬 泰子

[ポスターY-15-3] 看護補助者間の応援体制の構築

―看護補助者業務の効率化を目指して―

坂東 恵美子 (彦根市立病院)

キーワード:看護補助者、応援体制、主体性

【目的】A 病院は急性期公立病院で、各病棟に2 ~ 4 名の看護補助者を配置している。看護補助者の人材確保は困難な状況にあり、それに加えて看護補助者の高年齢化や技量の個人差も顕著にあり、翌日に業務の積み残しが散見されるようになり、看護業務のタスクシフト推進に影響していた。今回、看護補助者業務の効率化をねらい、部署の垣根を越えた看護補助者の応援体制の構築を図ったので報告する。【方法】令和4 年3 月に看護補助者会議で応援体制の構築を提案する。まずは、部署間での共有業務を抽出した。その後、タイムスケジュールや動線、物品配置などの課題が挙がり、業務の標準化を目的に応援マニュアルの作成と物品配置の統一を行った。また、毎日定時に各病棟の看護補助者リーダーが参集し、部署間の応援の調整を話し合い(以下、「ハドル」)、応援体制を構築した。応援マニュアルの作成、物品管理、ハドルの進行などは看護補助者に役割を委譲した。実施後の評価として看護補助者28 名にアンケート調査を実施した。【結果】アンケート結果から、応援体制の是非について75%の看護補助者がよかったと回答し、その理由は「急な休みが出たときに助かる」「定時に帰れる」が大半であった。また、応援業務の統一化の効果については80%の看護補助者が有効と回答した。さらに、応援の手順を明確にすることによって、部署間のコミュニケーションが促進され、「お互い助け合えるのがよかった」「時間内に仕事が終わるか聞いてもらっている」などの連携のしやすさに関する回答が65%であった。【考察】応援体制の構築にあたり、看護補助者間で意見を持ちより、マニュアル改訂をくり返し、実働に即した応援マニュアルを作成できた。また、物品配置の統一化で、応援時の指導にかける時間を削減できた。それによりスムーズに他部署への応援が遂行され、時間内に業務が完結できた。また、ハドルの実施を通して意図的にコミュニケーションが図れたことで、相互理解を深められ、以前にあった応援に対する抵抗や拒否が低減された。これらは看護補助者の主体性を重視したことも背景にあると捉えている。今回の応援体制をもとに、今後、看護師と看護補助者間のタスクシフト促進につなげられるように取り組んでいきたい。