第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター16群 看護職間・他職種との協働②

2023年11月8日(水) 15:45 〜 16:45 ポスター会場 (G1-G4)

座長:廣瀬 泰子

[ポスターY-16-2] 歯科衛生士と連携した口腔ケア介入による口腔内環境の変化

後藤 智美, 生田 友香, 野村 美咲 (碧南市民病院)

キーワード:歯科衛生士との連携、口腔ケア、口腔内環境、個別ケア、OHAT

【目的】A 病院では、入院時のスクリーニングで口腔内汚染がみられた患者に、歯科衛生士が専門的口腔ケアを行い、患者に適した道具や方法を提案しながら指導を行っている。統一した評価ができる口腔ケアアセスメントシート(以下OHAT とする)を使用し、歯科衛生士と看護師の連携により患者の状態に合わせた個別性のある口腔ケアを実践することで患者の口腔内環境に変化がみられたのかを明らかにすることである。【方法】研究対象者:A 病院B 病棟に入院中の入院時口腔状態スクリーニング表に該当した7 名の患者のうち同意を得られた4 名。調査期間:令和4 年6 月1 日~ 10月31 日。途中退院した場合はその時点にて終了。分析方法:歯科衛生士と共に、スクリーニングで該当した患者の口腔ケア回診を行いOHAT 評価、口腔水分計測定、口腔ケアを実施後、カンファレンスにより個別ケアを決定。それらを一定期間継続し、再度評価を実施し変化を見る。倫理的配慮:研究協力者に参加は自由意志であること、収集したデータは個人が特定されないこと、本研究以外では使用しないことを説明し遵守した。【結果】対象者は全員70 歳以上の高齢者であった。個別ケアの介入期間は患者の状況により7 日間〜 14 日間とばらつきがあった。対象者の中には認知症患者もおり、ケアに協力が得られない時もあった。個別ケア介入後、OHAT 評価による口腔内環境の変化は改善1 名、改善なし2名、悪化1 名であった。【考察】口腔内環境の改善の有無においては、患者のケアに対する受け入れや全身状態に左右されることが推察される。しかし、歯科衛生士からの指導により、日々患者に適したケアが施されることで、1 例は改善がみられた。本研究では患者の状態によりケア介入期間にばらつきが生じた。改善がみられた症例においては最長14 日間の介入期間があったことから、他の対象者においてもさらにケアを継続していくことで変化がみられる可能性が示唆された。また、OHAT を使用することで、統一した評価や、実施したケアの結果が数値化でき、改善が可視化されることで看護師の意識にも影響を与えたと考えられる。今後も歯科衛生士と連携し、個別的なケアを提供することで、患者の口腔内環境の健康の維持・向上が期待できると考える。