第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター21群 高齢者、認知症の人の看護③

2023年11月8日(水) 10:30 〜 11:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:尾形 由貴子

[ポスターY-21-3] 地域包括ケア病棟における高齢患者への個別レクリエーションの取り組み

伊藤 めぐみ, 額賀 智子 (水戸赤十字病院)

キーワード:地域包括ケア病棟、個別レクリエーション、高齢者、入院生活

【目的】個別レクリエーションを行うことで、入院生活における意欲や過し方がどのように変化し、入院生活の質の向上、維持に効果的か明らかにする。【方法】同意を得られた65 歳以上の患者(家族)に独自に作成した質問用紙を用いて入院前の生活歴、余暇歴、機能障害、運動能力の情報を収集し、得られた情報から個別レクリエーションの内容についてカンファレンスで検討し、実践する。個別レクリエーション開始前、1 週間毎、退院時の日常生活の意欲の変化についてVitality Index を用いて評価し、Vitality Index の点数変化を時系列で比較する。記録から、レクリエーション実施中や入院生活での表情、言動、行動の変化を時系列で比較し考察する。倫理的配慮として患者または家族に研究の趣旨、方法に加え研究の参加は自由意志であり、本研究に参加しない場合でも不利益を被らないこと、一度同意した後にいつでも撤回できること、研究で得た情報は匿名化し研究目的以外では使用しないことを書面で説明し、同意を得た。【結果】Vitality Index の変化は「起床」は、6 名中4 名の点数が上昇した。「意思疎通」は、6 名中2 名の点数が上昇した。「食事」は、6 名中4 名の点数が上昇した。「排泄」は、6 名中1名の点数が上昇した。「リハビリ・活動」は、6 名中6 名に変化がなかった。Vitarity Index の点数が下降する項目はなかった。介入中に6 名中6 名ともに笑顔がみられた。【考察】高齢者は入院の長期化に伴い意欲が低下する傾向にある。今回日常生活の中で個別レクリエーションを実施することでVitarity Index の点数が下降するものは一つもなかった。各々のニーズに合わせ、個々のペースで提供されたレクリエーションは、高齢者の生活歴、余暇歴、機能障害、運動能力を生かした介入であり、楽しみの時間を見出し、入院中の高齢者の意欲に良い効果があった。入院中の高齢者に行う余暇歴、機能障害、運動能力をふまえた個別レクリエーションは、意欲の維持、向上に効果的であることが示唆された。高齢者のその人らしさや思いをくみ取るためには、専門的なコミュニケーションスキルを活用していく必要がある。