第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター26群 住み慣れた地域に戻ることへの支援④

2023年11月8日(水) 13:15 〜 14:15 ポスター会場 (G1-G4)

座長:片山 陽子

[ポスターY-26-4] 認定看護師による外来がん患者への継続的な就労支援の現状と課題

白川 律子, 伊加 由美, 佐藤 愛子 (三豊総合病院)

キーワード:就労支援、がん相談、認定看護師、社会的支援、チーム医療

【目的】2018 年に策定された第3 期がん対策推進基本計画におけるがんとの共生の分野において、主治医、会社・産業医、両立支援コーディネーターによる「がん患者へのトライアングル型サポート体制」の構築が取り組むべき施策として掲げられている。A 病院では、6 名の両立支援コーディネーターが在籍している。職種の内訳は、認定看護師3 名、社会福祉士3 名である。認定看護師は、外来、外来化学療法室、緩和ケアチームに配属されており、専門的知識を活かした相談を実施している。認定看護師間での情報共有はもちろん、医師や看護師、医療クラーク、社会福祉士との協働など外来での就労支援体制は整いつつある。今後も継続的な就労支援を実践するために、がん相談に携わる認定看護師の現状を把握し今後の課題を明らかにする。【方法】1. 研究の対象:就労支援に携わっているA 病院の認定看護師 2. データの収集方法:該当看護師の中で同意の得られた者を対象とした半構成的質問紙を用いた聞き取り調査 3. 研究デザイン:質的研究4. 倫理的配慮:倫理的配慮研究に際し対象者へ研究の趣旨、個人情報の守秘・保護について説明し、学会発表することに同意を得た。本研究に関して、院内倫理委員会の承諾を得た。【結果】両立支援コーディネーターでもある3 名の認定看護師から、同意が得られた。認定看護師による就労支援については、委員会などで周知することにより活動が認知され、医師や看護師、医療クラークが患者に相談を勧めることに繋がっている。情報が不足している患者に関しては、多職種との連携をタイムリーに行い支援に役立てている。社会福祉士が看護師対象に「治療と仕事の両立について」のアンケートを実施した。その結果は、“ 仕事について相談を受けたことがあるか” に関しては80%がない、“ 仕事について患者や家族に聞いているか” に関しては36%が聞いていないであった。【考察】就労支援は、早期からの介入が必要である。認定看護師だけでは対応に限界があるため、支援体制の整備が必要である。お金や社会制度、仕事などへの介入は、看護師の苦手な分野であり知識も不足している。研修会などで支援に関する知識を習得し、自信を持った対応に繋げる必要があると考える。患者を全人的に看るという点においても、就労支援は看護師の重要な役割であることを認識できように振り返りの場を提供することも必要と考える。