第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター44群 看護職の心の働きとその対処②

Thu. Nov 9, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:勝山 貴美子

[ポスターY-44-4] HCU に勤務する看護師の急変時対応への困難

―看護師歴別の特徴に焦点をあてて―

佐藤 かおり, 門脇 由貴子, 坂井 夢希子 (東京都立多摩南部地域病院)

Keywords:HCU、看護師歴別、急変、困難感

【目的】HCU に勤務する看護師(2 年目以上)の急変時対応における困難を看護師歴別に明らかにすることで、急変時対応の教育に必要なポイントが得られると考えた。看護師歴別の特徴に焦点をあてて困難を明らかにする。【方法】研究期間は2022 年3 月から2022 年7 月。研究デザインは質的記述的研究。参加は自由意志であり、途中辞退も可能であること、データは本研究以外では使用しないと説明し、同意を得られたA 病院看護師17 名に対し看護師歴別で3 グループに分け、半構造的面接を実施。面接内容を録音し逐語録を作成、コード化、サブカテゴリー化、カテゴリー化を行った。【結果】急変時対応で感じる困難は123 のコード、24 のサブカテゴリーが抽出され、「急変時対応の経験がない」、「急変時の経験が不足している」、「他スタッフとの連携不足」、「急変時学習と実際との違い」、「物品設備・環境の問題」の5 つのカテゴリーが生成された。看護師歴2 ~ 4 年目5 名は、全てのカテゴリーを経験している。看護師歴5 ~ 7 年目5 名は、「他スタッフとの連携不足」、「急変時の経験が不足している」、看護師歴8 年目以上7 名は、「他スタッフとの連携不足」、「急変時学習と実際との違い」の結果が得られた。【考察】看護師歴2 ~ 4 年目は、看護師歴が短く急変時対応の経験も少ないため、自己学習を実践に結びつけられず、全ての要素で困難と感じていた。看護師歴5 ~ 7 年目の「他スタッフとの連携不足」、「急変時の経験が不足している」は、自部署の急変時対応では、普段からコミュニケーションが図れているスタッフとの連携であるため、困難は感じていない。しかし緊急で他病棟へ駆けつけた際、自部署での連携と同様の行動ができない事を他スタッフとの連携不足と感じていた。また、他部署では自分の役割が十分に発揮出来なかった経験から、急変時の経験不足と捉えていると考える。看護師歴8 年目以上は、リーダー的立場で看護業務の把握と調整、スタッフへの指導が必要になる。「他スタッフとの連携不足」は、全体の流れを把握し、看護師だけでなく他職種と連携した急変時能力が必要であり、全体の情報を収集しようとする状況からの困難が多いと考える。また、「急変時学習と実際との違い」は、熟練した看護師でも急変時など特殊な状況下に置かれた場合には困難が生じており、日頃から急変時に関する学習は必要であると考える。