第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター44群 看護職の心の働きとその対処②

2023年11月9日(木) 14:30 〜 15:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:勝山 貴美子

[ポスターY-44-5] 小児病棟看護師の捉える急変対応に関する不安軽減に必要な支援

山本 尚子, 伏見 美奈 (大阪市立総合医療センター)

キーワード:小児、急変時対応、不安軽減、看護師、支援

【目的】小児病棟看護師の捉える急変対応に関する不安軽減に必要な支援を明らかにする。【方法】A 病棟の看護師23 名を対象とした質問紙調査。質問紙の内容は対象者の基本属性と先行研究における杉浦らの3 つのコアカテゴリーを参考に《①急変時の実践能力不足による心配や動揺》《②患児・家族の状態の経過から認識された危惧や動揺》《③不利な環境条件とその対応への心配や困難感》に対する分類から必要な支援を作成した。全25 項目でそれぞれ「非常に当てはまる」〜「当てはまらない」の5 段階の尺度とし、単純集計した。倫理的配慮として対象者へ説明文書を用いて研究の目的・意義・方法について説明し、質問用紙の提出をもって同意を得た。【結果】看護師が必要とする支援について、全ての質問項目で95%以上が必要性を感じていた。分類ごとに①の支援として「過去の急変対応の事例検討・情報共有」と「実際の急変対応をイメージできるシミュレーション研修の機会」の項目で“ 非常に当てはまる” が60.8%を占めていた。②の支援として「急変対応時のコールの基準を明確にわかりやすく明示」と「急変対応が個人の責任にならない体制の整備」の項目で“ 非常に当てはまる” が69.5%を占めていた。③の支援として「急変時の医師や救急コールの連絡先が分かるよう明示」と「急変時に各自が役割発揮できるようなチームでのシミュレーション研修の機会」の項目で“ 非常に当てはまる” が60.8%を占めていた。【考察】先行文献で明らかにされている不安項目を参考に具体的な急変対応に関する不安軽減に必要な支援について質問し、全ての質問項目で95%以上が必要性を感じていると考えられた。1.急変時は何が起こるか分からず、どう動けばいいか分からないため不安が強いことからシミュレーションや事例検討を含む学習会の支援の機会を求めている結果になったと考えられる。2.患者の予期せぬ急変は不安や困難、恐怖感を感じやすい場面となることが多く急変対応時のコール基準を明確に明示することや、急変対応が個人の責任にならない体制の整備が求められている割合が多くなったと考えられる。3.病棟での過去の急変事例から、チームでのシミュレーション研修の必要性が高まっていると考えられる。また、看護師間だけではなく、医師や多職種とのシミュレーション研修があれば不安の軽減につながると示唆された。