第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター49群 継続教育②

2023年11月9日(木) 09:00 〜 10:00 ポスター会場 (G1-G4)

座長:渡邉 眞理

[ポスターY-49-2] A病院看護師のシミュレーターを使用した呼吸器系フィジカルアセスメント研修後の看護実践の継続性

松浦 美紗子, 池内 寛記, 荒木 美紀, 森脇 美奈子 (島根県済生会江津総合病院)

キーワード:呼吸器系フィジカルアセスメント、シミュレーター研修、継続性、看護師

【目的】シミュレーターを使用した呼吸器系フィジカルアセスメント研修後の呼吸音聴診、呼吸回数測定、呼吸様式観察についての継続状況とその要因を調査することで継続性を明らかにする。【方法】1.対象:2018、2019、2021年度Ą病院の呼吸器系フィジカルアセスメント研修を1回以上受けた看護師10名。2.調査期間:2023年1月~2月 3.データ収集方法:半構造化面接法(個人)とし30分程度のインタビューを実施した。4.分析方法:質的帰納方法で分析した。逐語録をコード化し、カテゴリー化を行った。5.倫理的配慮:研究の参加は自由意志であり不参加の場合でも不利益が生じない事、個人が特定されない事、本研究以外では使用しない事、結果の公表について承諾を得た。所属施設研究倫理審査委員会の承認を得た(R4-3)。【結果】研究対象者は、研修受講回数1回5名、2回4名、3回1名。初回受講時の看護師経験年数1.7年目。病棟経験でみると急性期病棟(循環器内科・消化器内科、内科、外科、整形外科、皮膚科)5名、包括病棟4名、療養病棟4名。継続できていることは7のカテゴリー《呼吸音の聴診》《呼吸様式の観察》《呼吸回数測定》《看護記録》《報告》《アセスメントし行動している》《触診》、継続できている要因は7のカテゴリー《研修で呼吸状態観察の重要性を学んだ》《学びなおす機会》《呼吸状態の観察が日常的に行われている》《自信がついている》《分からなければ誰かに聞くことができる》《シミュレーター研修ができる》《時間に余裕がある》を抽出した。継続できていないことは4のカテゴリー《看護記録》《正常な患者は観察していない》《呼吸音の聴診》《報告》、継続できていない要因は6のカテゴリー《分からない》《自信がない》《忙しい》《観察結果が正常である》《自己学習と臨床を繋げることができない》を抽出した。【考察】継続できた要因として、自信はないが観察を継続して実施することで、異常に気付き治療に繋がった経験や他看護師からの同意、学びなおす機会を設け、自分の技術や知識の確認ができる環境があったことが分かった。そのことから、自信の有無は個人評価であるため、渡辺らが観察した内容を客観的に評価されることで成長が促進されていくと述べているように、客観的評価を受けるシステム作りや、自信が持てるような研修の支援を行う必要性があると考えた。