第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター49群 継続教育②

2023年11月9日(木) 09:00 〜 10:00 ポスター会場 (G1-G4)

座長:渡邉 眞理

[ポスターY-49-4] 思考発話法を用いたOJTの強化に向けた取り組み

―予測をふまえたブリーフィング、次につなげるデブリーフィング―

木本 美佐恵, 山田 奈津 (大阪国際がんセンター)

キーワード:PNSⓇ、思考発話法、OJT

【目的】A病棟は希少がんを対象とする整形外科、血液内科、脳神経外科、外科共通を含む混合病棟である。多様な患者背景や複雑化する治療に対応するため、看護体制は、互いに補完し合い安全な看護の提供を目指す「日勤日替わりパートナーシップ」(Dayshift Daily Partnership Nursing System以下DDPNS)を導入している。看護の質向上に向け、思考発話法を用いたOn the Job Training(以下OJT)の強化に取り組んだ効果について報告する。【方法】危険予測を踏まえたブリーフィングや、次への課題を見出すデブリーフィングについて、思考発話法を活用しOJT強化に向けた取り組みを行った。目的や方法が統一できるように、リーダー会を活用して勉強会を実施し、リーダーからメンバーへと段階的に部署全体へ周知した。さらにイメージしやすいよう、OJT教材ビデオを作成し、全員が視聴できるようにした。OJTの現状と取り組み前後の変化を明らかにするため、部署看護師28名を対象にブリーフィング・デブリーフィングの実態について質問用紙を用いて調査し比較検討した。質問用紙は個人が特定されないよう個人情報保護及び倫理的配慮に努めた。【結果】看護師の背景は、平均年齢33.7歳、実務経験5年以上44%、院内クリニカルラダーレベル3以上42.9%であった。取り組み後の職場満足度調査は、「看護職への自信と誇り」が13%、ブリーフィング・デブリーフィングの実態調査では、「危険を予測したブリーフィングができている」が25%、「お互いが発信し、次につながる課題を見出すことができている」が37%上昇した。スタッフからは、「言葉で話してもらえることで先輩の看護実践が理解できた」「ブリーフィングをすることで、具体的な観察点がわかった」などの意見が聞かれた。【考察】DDPNSは、看護師間のコミュニケーションの機会も多くOJTが実践しやすい看護体制であったことから、業務内容の共有に留まっていたブリーフィング・デブリーフィングを、思考を伝え合う機会とするための取り組みを行った。勉強会や教材ビデオによりイメージの共有を行うことで、危険予測や課題を見出すブリーフィング・デブリーフィングができ、その経験は看護師の自信にも繋がった。今後も継続、推進していきたい。