日本心理学会第85回大会

大会長挨拶

 
 日本心理学会第85回大会は,2021年9月1日(水)から8日(水)まで,私ども明星大学心理学部が運営を担当させていただきます。明星大学は,東京都日野市に位置し,9学部12学科,大学院6研究科12専攻を擁する総合大学です。本学心理学部は,2017年に前身の人文学部心理学科を母体として誕生しましたが,本学における心理学教育の歴史は,「心理・教育学科心理学専修」が開設され初代主任教授として安
三郎先生が着任された1965年に遡ります。以来55年以上にわたり,科学的かつ多面的な人間理解を目指して,基礎的・一般的領域から応用的・臨床的領域まで幅広い領域を専門とする教育スタッフが心理学の研究教育をおこなって参りました。このことは,現在では国内でも数少なくなってしまった動物実験施設を開設以来の伝統として保有・運用し続け,実験的行動分析と応用行動分析の両方をともに学べる学部であること,心理学部と心理学研究科とが連携して一貫性ある公認心理師養成をおこなっていることといった本学心理学部の特色に,端的に表われていると思います。


 さて,ご承知の通り昨年来のコロナ禍の帰趨は未だ定かではありません。当初は本学キャンパスでの通常開催を想定していましたが,現在本学は,対面授業の実施を目指した様々な取り組みの途上にあり,現状では学生の安全確保の観点から教室を外部の使用に供することが叶いません。このような状況で,通常開催とウェブ開催との準備を並行して進め感染状況を見て最終的に実施方法を決定するといった対応は困難であり,ウェブ開催とすることに決定しました。

 ウェブ開催であっても対面での実施と遜色ない,さらにはそれを凌ぐ内容を実現できることは,初のウェブ開催となった第84回大会を成功のうちに完遂された東洋大学の先生方が実証されました。ここに記して改めて敬意と謝意を表明申し上げます。第85回大会も,学術集会の本質を追求しウェブ開催の利点を活用して,本学会会員・参加者の皆さまにとって有意義な学術的交流の場となりますよう,大会準備委員一同,精一杯努めたく存じます。多数の皆さまのご参加をお待ち申し上げております。

 

日本心理学会第85回大会準備委員会
大会長  境 敦史
(明星大学 心理学部 教授)