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[AAS21-24] イソプレン/NO光酸化からのテトロール生成に対する相対湿度の効果
キーワード:植物起源揮発性有機化合物, 二次有機エアロゾル, 有機硝酸塩, 水溶液相反応, 環境チャンバー
イソプレンからの二次有機エアロゾルの分子マーカーである2-メチルテトロールは、イソプレン/NOx光酸化反応における有機硝酸エステルの加水分解反応(Sato, 2008; Szmigielski et al., 2010; Jacobs et al., 2014)またはイソプレンエポキシジオールの粒子相酸化反応(Jacobs et al., 2014)によって生成する。 本研究では、イソプレン/NO光酸化反応からの2-メチルテトロール生成に対する相対湿度、酸および塩基の効果について調べた。6 m3のテフロンバッグおよび6 m3のステンレスチャンバーを用いて、それぞれ加湿および乾燥条件の実験を行った。加湿条件(RH ≃ 80%)での2-メチルテトロール生成は亜硫酸ガスの存在下でもアンモニアの存在下でも増加した。対照的に、乾燥条件(RH < 1%)での2-メチルテトロール生成は、亜硫酸ガスの存在下であまり増加しないか抑制された。全有機エアロゾル濃度に対する全2-メチルテトロール濃度の比は、本研究の様々な条件の下で0.21~18 wt%であった。エアロゾル試料の水溶液からの2-メチルテトロール生成についても調べたところ、酸と塩基の両方によって生成が促進されることが分かった。本研究の結果は、イソプレン/NO光酸化からの2-メチルテトロール生成には、水の存在が重要な意味を持つことを示している。塩基によって生成が促進されたことから、エステルの加水分解が主要な2-メチルテトロールの生成経路と考えられる。
本研究は日本学術振興会の科学研究費補助金(No. 25340021, FY2013–2015)によって支援された。ガスクロマトグラフ質量分析計を提供して下さった京都大学の東野進教授に感謝の意を表します。
参考文献: Sato, K. (2008) Atmos. Environ. 42, 6851–6861. Szmigielski, R. et al. (2010) Atmos. Res. 98, 183–189. Jacobs, M. I. et al. (2014) Atmos. Chem. Phys. 14, 8933–8946.
本研究は日本学術振興会の科学研究費補助金(No. 25340021, FY2013–2015)によって支援された。ガスクロマトグラフ質量分析計を提供して下さった京都大学の東野進教授に感謝の意を表します。
参考文献: Sato, K. (2008) Atmos. Environ. 42, 6851–6861. Szmigielski, R. et al. (2010) Atmos. Res. 98, 183–189. Jacobs, M. I. et al. (2014) Atmos. Chem. Phys. 14, 8933–8946.