日本地球惑星科学連合2019年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 O (パブリック) » パブリック

[O-08] ジオパークで地球活動をイメージする -ジオ多様性の大切さを知ろう-

2019年5月26日(日) 13:45 〜 15:15 コンベンションホールB (2F)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、市橋 弥生(佐渡ジオパーク推進協議会)、小原 北士(Mine秋吉台ジオパーク推進協議会)、大野 希一(島原半島ジオパーク協議会事務局)、座長:市橋 弥生小原 北士今井 ひろこ松原 典孝(兵庫県立大学大学院)、郡山 鈴夏(山陰海岸ジオパーク推進協議会)

14:45 〜 15:15

[O08-06] 「ブラタモリ」案内人が大切にする地球活動の伝え方

★招待講演

*蓮岡 真1鈴木 雄介2今井 ひろこ3 (1.磐梯山ジオパーク協議会、2.伊豆半島ジオパーク推進協議会、3.コムサポートオフィス)

「ジオパークで地球活動をイメージする -ジオ多様性の大切さを知る-」ということは、専門的知識を有しない一般人や地域住民にとってそれは簡単ではない。各ジオパークでは、専門家やジオガイドなどの地域の方々が地球の活動に関わる現象や人と地球の関わりを解明し、ガイドツアーやアクティビティなどを通じて、一般の人にその楽しさや大切さを伝えている。

このジオパーク地域が実践している活動に近いことをお茶の間に紹介しているのが、NHK「ブラタモリ」である。この番組は、街歩きの達人のタモリさんが、ブラブラ歩きながら知られざる街の歴史や人々の暮らしに迫るというコンセプトの番組である。でも、ただの街歩きではない。タモリさんに言わせると、「地学・地質というマイナーな分野と歴史を合わせて街をブラつく。出てくるのは私と、ほとんど誰も知らない新人女子アナウンサー、テレビにはほとんど出たことがない「土地のオヤジ」….」という。

ジオパーク活動のさらなる普及には、マイナーと言われる地学や地質がその土地の歴史や文化、人々の暮らしと密接につながることへの視点が視聴者に広く理解され受け入れられている。まさにジオパークの楽しみ方を上手く取り込んでいるのである。さらに「ある土地のナゾに導かれ、ナゾを解明しようと、訪れた街に残された様々な痕跡に触れながらその謎を紐解いていく」番組展開。またナゾ解きがあることで、単なるブラブラするだけの番組ではなく、目的が明確になって番組が引き締まっていく。一方で、タモリさんにも女子アナにも台本がない。当然、「ナゾ解き」のお題も初めて見る。そこへマニアックな案内人が登場して、物知りのタモリさんでも知らないような情報や一般人代表とも言える女子アナに対して双方にあった質問や会話で少しずつ解説していく。知識や経験の違う二人ではあるが、発見や驚きの中でそれぞれが知識を積み重ねやがて出演者と案内人の共感が生まれる。

これらのことについて、実際にブラタモリ案内人を勤めた二人のジオパーク関係者が地球科学が好きな方や一般の方にいかにさらなる興味関心を抱かせ楽しんでいただくか、そのための工夫や仕掛け、事前準備など実体験や番組制作の裏話などを交え紹介する。