日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW20] 水循環・水環境

2021年6月5日(土) 09:00 〜 10:30 Ch.12 (Zoom会場12)

コンビーナ:林 武司(秋田大学教育文化学部)、福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)、榊原 厚一(信州大学理学部理学科)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)、座長:林 武司(秋田大学教育文化学部)、福士 圭介(金沢大学環日本海域環境研究センター)、榊原 厚一(信州大学理学部理学科)、山崎 大(東京大学生産技術研究所)

09:35 〜 09:50

[AHW20-04] Investigating the validity of a meso scale constitutive equation using micro scale water dynamics simulations for hillslope rainfall-runoff processes

*市川 温1、森 優介1、立川 康人1 (1.京都大学大学院工学研究科)

キーワード:降雨流出、山地斜面、流量流積関係、流量流積関係式

水工学の分野では、河川流量の推定・予測などの現実的要請に応えるために、流量時系列の再現に重きをおいて降雨流出モデル研究が実施されてきた。最初は概念的モデルが、ついで物理的モデルが開発された。物理的モデルは、計算機の発展や多種多様なデータが利用可能となったこともあって、一定の成功をおさめてきた。しかしその一方で、近年の降雨流出に関する観測研究の成果がモデルに反映されていない、という指摘がある。山地斜面の降雨流出は、複雑で不均質である。しかし微視的に見れば、雨水が地表面から浸透し斜面内の空隙部を流れていくというシンプルな現象である。この原点に立ち返って、山地斜面を想定した雨水流動シミュレーションを実施し、その結果を元に、降雨流出モデルで用いられている流量流積関係式の妥当性を分析した。その結果、表土層が薄い斜面を想定した場合は、流量と流積がほぼ一価の関係となり、上記の流量流積関係式でよく近似できることが明らかとなった。その一方で、表土層が厚い斜面では、流量と流積の関係が二価となり、上記の流量流積関係式は当てはまらないことが明らかとなった。