日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI34] 情報地球惑星科学と大量データ処理情報

2021年6月3日(木) 09:00 〜 10:30 Ch.03 (Zoom会場03)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、座長:深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、村田 健史(情報通信研究機構)

09:30 〜 09:45

[MGI34-03] 東京都区部の3次元地質地盤図の公開

*野々垣 進1、中澤 努1、納谷 友規1、小松原 純子1、宮地 良典1、尾崎 正紀1、中山 俊雄2 (1.国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2.東京都土木技術支援・人材育成センター)

キーワード:3次元地質図、ボーリングデータ、DEM、都市域

産総研地質調査総合センター(GSJ)では,都市部における地質情報の利活用推進を目的として,3次元地質地盤図整備プロジェクトに取り組んでいる.このプロジェクトでは,学術調査や公共工事のために作成されたボーリングデータを利用して,深さ数十メートルを対象とした3次元地質図を作成する,また,3次元地質情報を共有するためのウェブシステム開発を行う.2021年の春,GSJでは,東京都土木技術支援・人材育成センターとの共同研究成果として,東京都区部を対象とした3次元地質地盤図を公開予定である.

 東京都区部の3次元地質地盤図は,地形情報と地質情報を統合した図である.地形情報については,航空写真,DEM,地質図幅をはじめとした各種空間情報を用いて,11個のカテゴリーから構成される地形分類図を作成した.地質情報については,GSJが実施したボーリング調査および室内実験から得た層序学的・堆積学的研究成果をもとに定めた標準層序を利用して,公共工事の際に作成された約5万本のボーリングデータに対して地層の対比処理を行った.また,対比結果を用いて地層境界面のDEMを作成し,これらを用いて10個の地層から構成される地質サーフェイスモデルを構築した.

 3次元地質地盤図は,“都市域の地質地盤図"ウェブサイト(https://gbank.gsj.jp/urbangeol/)を通して公開される.このウェブサイトでは,GSJが実施したボーリング調査の結果の閲覧のほか,作成した地質地盤図や利用したボーリングデータの3次元表示,任意測線における地質サーフェイスモデルの鉛直断面図の作成などを行える.

 本発表では,3次元地質地盤図プロジェクトの概要と東京都区部の成果について述べる.